団体受験事例

世界遺産検定 担当者の声|岩下哲典教授

世界遺産ゼミから学ぶ
地球の自然と世界の歴史・文化

明海大学
ホスピタリティ・ツーリズム
学部教授
岩下 哲典氏

おもてなしの心とは何か? 世界遺産を通じて学ぶ

―― なぜ世界遺産のゼミを作ろうと思ったのですか? また作ってみてどうでしたか?

世界遺産ゼミは書類選考になるほどの人気
世界遺産ゼミは書類選考になるほどの人気。この日は学生の好きな世界遺産のレポートを発表。

 世界遺産ゼミはなかなか好評です(笑)

 希望者が多かったので定員を増やして対応したのですが、それでも入りきらず、書類による厳正な選考を経た学生が受けられる状況になっています。好きな世界遺産を調べてレポート発表してもらったりするのですが、インドのタージ・マハルなど人気がありますね。文化的意義だけでなく、学生は廟を造ったシャー・ジャハーン皇帝と皇妃の純愛にも感動しながら発表していたりして、こちらも面白いです。

 本学部では1年生から4年生までゼミがあり、1年生ゼミでプレゼンテーションの仕方、レポートの書き方など基礎的知識を学び、2年生ゼミで一般教養を、3・4年ゼミで個別テーマを調査・研究して発表します。今回初めて私の2年ゼミで世界遺産のテーマで学ぶことにしました。なぜかというと、世界遺産は地球の自然と世界の歴史・文化をまとめて学ぶことのできる、つまり「総合的に地理・歴史・文化・などを学べる、実在する本物のテキスト」だからです。しかも、老若男女、誰から見ても面白い!ですから、世代間の共通言語になりますね。学生に人気が高いのもこの辺が影響しているようで、ゼミ志望理由を見ると「一般教養や話題の引き出しとして知りたい」「面白そうだから」といったコメントが多いですよ。生の体験を重視しているので、実際に日本における世界遺産にフィールドワークしに行くのも喜ばれているのかもしれません。先日、日光の社寺見学を行いましたが、学生たちはたいへん多くのことを学んだようです。

 ホスピタリティ・ツーリズム学科とは、「おもてなしの心と観光の知識や実務を学ぶ」ところなので、就職先もエアライン・ホテル・旅行業界が多いです。接客業全般に言えることかもしれませんが、知識や情報の提供は、大事なおもてなしの一つです。例えば旅行するお客様は、旅行先のおすすめスポットの情報を欲していることが多いでしょう。京都に行きたいという外国の方に対して京都のことを何も知らずにおもてなしすることはできませんよね。もちろん他業種であっても話題作りに世界遺産はいいと思いますが、特に観光業ならば、世界遺産の知識や情報はあった方がだんぜん喜ばれるだろうと思います。

▲ ページトップ

世界遺産は「人としての視野を広げ、思慮する道具」

好きな世界遺産の発表レジュメ。その他学生が作った世界遺産フィールドワーク計画書もある
写真は、好きな世界遺産の発表レジュメ。その他学生が作った世界遺産フィールドワーク計画書もある。電車の時間やまわる順序も調べてある詳細なものも。

 旅行業界に興味があってもなくても、一般教養として、また外国人や知らない人とのコミュニケーションツールとして、世界遺産の知識は実に有効だと思います。そしてこれは私の個人的な願いですが、世界遺産を学ぶことをきっかけとして、世界遺産のある国々を、そして地球そのものや、全世界のありさまを学生たちに知って、考えて、行動してほしいと思っています。初めは楽しく、また美しい、きれいな場所として認識しているだけでもいい。調べるうちにその美しいものが環境破壊で壊されそうだと知ったらどうするか、また、その建築はどのような思いで作られたものか、でもこのまま何もしなかったら、その美は失われていく…その上、現在のその国はどんな政治的・経済的・社会的状態なのか……だんだんに世界を深く知って、一緒にそれについて考えること、そしてどうしたらいいのか思慮することを目指しています。また逆に、世界遺産を通じて日本の自然や歴史・文化、それからいい所を世界に向けてたくさん発信していけるのではないかとも思います。

 世界遺産は「人としての視野を広げ、思慮する道具」として、使ってもらい、思慮深い人になってほしいと思います。

▲ ページトップ

好きな世界遺産は、姫路城

―― 好きな世界遺産は何ですか?

 ずばり、姫路城ですね! 淡い思い出のエピソードもあって……(笑)

 小学生の時、ジャポニカ学習帳って使いませんでしたか? あれの表紙が姫路城天守閣の写真だったことがあるんです。クラスの女の子が持っていたので、僕は勇気を出して、そのノートを使い終わったらくれないか聞きました。その子は僕のために汚れないようわざわざカバーをかけて大切に使ってくれたそうです。もらった後に表紙の写真を真似して姫路城の絵を描いたり、姫路城のプラモデルを買って作ったりしましたね。プラモの箱のサイドに印刷されていた城の説明文を読むうちにどんどん歴史に興味が湧いて、とうとう今では江戸時代の歴史研究が専門になってしまいました。

 その頃は「きれいだな、カッコイイな」としか思っていなかったのですが、大人になって知識が増えてから姫路城に行って、さらに感じ方は変わりました。白鷺城と呼ばれるほどのその美しさに息を呑むと同時に、姫路城は、攻撃してくる軍勢を殺傷する防衛装置としての機能性があることに気がついたんです。まるで戦国大名の二面的な心性が表れているかのように感じました。

 知識や情報が増えたり、自分自身の成長によって、いろんな見方ができるようになるものですね。

―― ご専門と世界遺産の関係は?

 専門は日本近世史、つまり江戸の歴史研究です。博士論文は、『幕末日本の情報活動』ペリー来航時の情報環境の研究です。世界遺産とは直接関係ないのですが、大学教員になる前には高校の世界史の非常勤講師をした経験があり、また、国内・外の旅行が好きだったことがきっかけで世界遺産をテーマとしたゼミまで持つようになりました。訪れたことのある世界遺産はそれ程多くはありませんが23~4ヶ所行っていますね。

―― 世界遺産の学習方法として学生にどのようなアドバイスをされていますか?

 テキストとノートだけでなく、新聞、雑誌、ニュースを通じて世界遺産に関する知識をぐんと広げてほしいと伝えています。地図帳を使って、いつも場所を確認し、また、信頼できる著者や出版社の本で学ぶのもいいでしょう。インターネット上の情報を鵜呑みにしてしまうケースがあるのですが、何人ものチェックが入る書籍と違い、ネット情報は間違いもあり、訂正されることが少ないので、必ず文献などでウラを取って、ちゃんとした知識を仕入れることが大切です。

 ウェブの百科事典やブログ、HPのコピー&ペーストのレポートばかりでは、この先が心配です。世界遺産に限らず、全ての正しいとされる知識でさえも一度自分の頭で考えて、疑うことから始めてほしいと考えています。「学問に王道なし」。地道な努力が必ず実を結びます。

▲ ページトップ

深い知識で、より多く楽しむ

―― 試験を受けてみて、いかがでしたか

見事に世界遺産検定2級に合格。明海大学 S.T.さん
明海大学
ホスピタリティ・ツーリズム学部
ホスピタリティ・ツーリズム学科
S.T.さん
(世界遺産検定 2級合格)

 実は電車の広告を見て初めて世界遺産検定を知ったんです。「就職に有利になるかもしれない」「旅行が好き」「せっかく学校で受けられるから…」という位の気持ちで受けることにしたんですが、試験が迫ってくるとあせって、直前は結構必死に勉強しました。

 受けるまではそれなりに大変だったのですが、知識が増えるとより深く楽しめることがわかったので、勉強してよかったと思います。色々知って、旅行したいところが増えましたし、友達と旅行するときなんかに世界遺産の由来とか見所とか説明してあげたら喜んでくれそうです。全然年代が違う人とお話しする時にも、話のネタになりますよね。

 あと、世界遺産の意義と成り立ちが勉強できてよかったです。「世界遺産は認定して終わり」じゃないんだと。護っていくことを考えなければいけないものなんだとわかりました。アンコールの遺跡群のように旅行者のマナーが悪くて困っている所もあるので、訪れる側の責任も考えていかないといけないな、と思いました。

―― どうやって試験勉強しましたか?

 世界遺産検定の公式基礎ガイドが中心です。ドリルも一冊買ってやりましたが、公式ガイドはカラーで見やすくてよかったです。しっかり読み込むだけでいいのかもしれませんが、私は自分が好きな部分ばかり読んでしまうので、ノートにまとめなおしました。京都のお寺とか好きなんです。観光客の少ない苔むした寺などは、本当に心が癒されます。

 今は2級も取れたし、他の就職の準備で大変なんですけど、ゆくゆくは1級を目指したいと思っています!

▲ ページトップ

検定のお申込み・検定結果の確認

  • 個人受検の方
  • 団体受験の方