団体受験事例

世界遺産検定 担当者の声|吉田正人教授

AO入試で
世界遺産検定認定者を優遇、
その理由は"志"!

江戸川大学
社会学部
ライフデザイン学科教授
吉田 正人氏

求む、「自分のものさしのある学生」

―― 江戸川大学の、AO(アドミッション・オフィス)入試で世界遺産検定認定者が優遇される理由をお聞かせ下さい。

 江戸川大学の入試制度には自分をアピールする書類を受験者に提出してもらった上で、面談2回と課題の作文によって総合的に合否を決めるAO入試があります。面談を通じて受験者と話し合うことができるため、双方とも納得して入学を決められる点がAO入試の良い所だと思います。

 AO入試で世界遺産検定認定者を優遇する理由は、「自分のものさし」…志と言えるようなものを持っている可能性が高いと考えるからです。例えば観光というと人を楽しませるだけのものが多いですが、これからは観光する先の自然や文化への影響も考える方向に変わっていくべきで、それには視野の広さが求められます。

 例えば世界遺産を勉強すれば、ガラパゴス諸島の何が評価されて、どこに価値があるか理解します。観光客の影響もあって現在危機遺産に登録されていることも知ります。教科書単語丸暗記で受かる資格でなく、このように筋道だてて学ぶ資格を選んで取得している時点で、自分のものさしを持って行動している人だと考えられるでしょう。また、この資格は世界の地理や歴史の基礎常識がないと受からないので、その辺も評価できます。

ライフデザイン学科学生と共に、沖縄でジュゴンと海草の調査実習中
ライフデザイン学科学生と共に、沖縄でジュゴンと海草の調査実習中。江戸川大学ライフデザイン学科はフィールドワークを重視している。

 AO入試ではその他の資格保持者も優遇しますが、ライフデザイン学科は世界遺産検定合格者を高く評価します。サステナブル・ツーリズムを学ぶレジャー・観光プランニングコースや、ナショナル・トラスト運動などを学ぶ環境デザインコースでは特に評価されます。

 持っていれば必ず受かるというものではありませんが、通常世界遺産について面接で質問すると思います。入学動機とどうつながっているか、その答えなどによってどんな人物か面接官は知り、それから作文などとともに総合的に判断します。

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沖縄・富士山・小笠原…学生達とフィールドワーク

―― 授業で力を入れているポイントはどこですか。

江戸川大学フィールドノート
江戸川大学フィールドノート。最終ページまで使ったことが確認できたら、次回分が配られる。

 フィールドワークを大変重視している点が特徴だと思います。「フィールド研修」というものがあって、ライフデザイン学科のうちどのコースの学生でもとれます。1年生は日帰り実習が4回。2年生以上は泊りがけです。

 沖縄に行ってジュゴンと海草の調査をしたり、富士山に登って気象観測実習をしたコースもありましたね。日光国立公園で仕事体験をしたり、東京湾で潮干狩りして水底にすんでいる生物の調査法を実習するなんていうのもあります。学生には専用のフィールドノートを配り、その場で見たこと聞いたことは何でもメモするように教えています。あとでそのノートを元にレポートを書くわけです。

 印象に残っているのは、次の世界遺産候補、小笠原諸島での実習です。島まで船で行って、もちろん泊りがけです。環境省のレンジャーである知人に協力してもらって、自然保護最前線にいるレンジャーの仕事について、現場で実際に何をするかを説明してもらいました。

 小笠原諸島では、現在外来種が、元からいた生物を脅かす事態が起こっています。例えばオガサワラシジミという蝶はグリーンアノールというアメリカ原産のトカゲによって絶滅に近い状態になってしまいました。それを捕らえた時、処分するのもレンジャーの仕事です。現場の楽しいことばかりではない側面も目にすることになりました。

学生の作ったレポート
学生の作ったレポート。学校内の廊下に壁新聞のように貼り付けて展示してあり、自由に閲覧できる。

 千葉のキャンパス付近では、流山の地域デザイン(街づくり)に協力している実績があります。各学校で作ることが義務付けられているビオトープ(生物の生息空間。地域固有の自然生態系を維持できるよう作った場所)の設計をしたり、小学校のアシスタントをしている学生もいます。流山市はオオタカの森保護運動の結果、つくばエクスプレスが路線変更したことで有名ですが、今の4年生はそのオオタカの調査をしました。

 地域の自然・社会を研究し、どういう生き方をすればいいか…持続可能な生活の仕方を、人から聞こうとするのではなく、自分で調べて実践できる学生になってほしいと願っています。

―― 世界遺産と関連する科目は?

 世界遺産との関連を言うと、まさに「文化自然遺産論」という科目があります。元々ライフデザイン学科は旧・環境デザイン学科が発展してできたもので、当時から自然遺産だけは教えていましたが、現在では文化遺産についても教えています。他に国立公園論やナショナル・トラスト論という科目などでも扱っています。

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好きな世界遺産はテ・ワヒポウナム。しかし本命は…

―― 好きな世界遺産は?

小笠原諸島での実習で。「小笠原諸島を世界自然遺産に!」の垂れ幕の下には島のアピールポイントが
小笠原諸島での実習で。「小笠原諸島を世界自然遺産に!」の垂れ幕の下には島のアピールポイントが。

 ゴンドワナ大陸時代の生物を現代に伝えているため、大変貴重だと思うのでオーストラリアのクイーンズランドの湿潤熱帯地域と、ニュージーランドのテ・ワヒポウナムです。テ・ワヒポウナムではマオリ族だけがエコツアーを開催できるので、それに参加したら国鳥とされている野生のキウイにあったんです! 太古の大陸の歴史が感じられる、素晴らしい場所だと思います。

 ただ、本当は小笠原諸島が世界遺産になったら「小笠原が素晴らしい!」と言いたい気もします。すでに登録されているガラパゴス諸島はできてから500万年くらいですが、小笠原諸島はニューギニアあたりでできてからざっと4,800万年。プレート(地球を覆う岩盤帯)が沈み込んでいく経過が見られ、地域固有の種が多数生息する貴重な場所です。世界遺産として登録されるといいなと思っています。

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