出張セミナー実施担当者の声

世界遺産検定 担当者の声|杉田 浩司 氏

生徒が学ぶ楽しさに目覚め、
過去25年で成績もトップに

横浜国際女学院翠陵中学校・高等学校
('11年より横浜翠陵中学・高等学校に変更)
教頭
杉田 浩司 氏

リンク授業の総まとめてとして活用

──'09年11月と'10年2月に授業の一環として出張講座を取り入れていますが、実施の経緯を教えてください。

世界遺産アカデミー講師による世界遺産講座を実施したときの様子。ほとんどの生徒が熱心にメモをとっていた。
世界遺産アカデミー講師による世界遺産講座を実施したときの様子。ほとんどの生徒が熱心にメモをとっていた。

 当校では、ある教科を単体で教えるだけではなく、ひとつのテーマについて複数の教科で教える「リンク授業」を実施しています。各教科を有機的に繋げ、あるテーマを様々な角度から教えることによって全体的な理解を深め、さらに学校での勉強が実社会と繋がっていることを生徒に実感させるためです。こうした教育によって、勉強することの意味がわかる点も大きなメリットだと思っています。

 '09年11月に高校2年生を対象に「宗教の対立」というテーマの国際理解の授業を行う予定があり、私の担当である世界史と現代社会と英語で教えることになっていました。ちょうどその頃に、世界遺産アカデミーの方から「出張講座」の件を聞きました。授業の総まとめとして最適だと思い、宗教の対立の象徴的遺産である「エルサレムの旧市街地とその城壁軍」についての出張講座をお願いしたわけです。

 総まとめとして世界遺産を素材に選んだのは、教科書の中だけのことではなく実在するものであるため、学んだことが知識として定着しやすいだろうと考えたからです。そもそも世界遺産というだけで「よくは知らないけど綺麗だし、凄いものらしい」と生徒の興味を引くことができます。また世界に目を向かせるためにも有効です。世界遺産として登録される理由は、単に壮大だからとかきれいだからではありません。人類にとっての歴史的な意義などもっと深い理由がある。世界遺産の中にも「危機遺産」や「負の遺産」があることを知り、それらについて学ぶことによって平和への意識も高まる。「世界遺産」というキーワードを中心にどんどん広がりが生まれるのも魅力に感じました。

生徒の感想も上々。成績も急上昇

──まさに「生きた教育」ですね。出張講座の感想はいかがでしたか?

 非常に意義のある授業だと実感しました。視点と切り口とまとめが通常の授業とは違うところがよかったです。「宗教の対立」というテーマを包括的に理解するのに非常に役立ちました。

 生徒にも響いたらしく、授業中は熱心にメモを取る生徒がほとんどで、授業後は講師への質問の手がたくさん挙がりました。アンケートでは「いろんな科目で勉強したことのまとめとして非常に有意義だった、より理解が深まった」という声が多かったです。

 たいへん好評だったので今度は今年2月の修学旅行の事前学習で「負の遺産」をテーマに出張セミナーをお願いしました。当校の修学旅行では平和学習の一環として、長崎を訪れています。原爆投下地として長崎を単体で取り上げるのではなく、広島やアウシュビッツなど戦争による負の遺産のひとつとして取り上げたのです。つまり生徒に長崎に行く意味、なぜ見に行くかということを理解してもらうために、世界遺産アカデミーの研究員の方に講義していただいたのです。

 学校の歴史の授業では、広島と長崎とアウシュビッツを同じタイミングで取り上げることはまずありえません。この時も、歴史、現代社会、宗教、英語、さらには都市計画の話にまで及び、非常に有意義な授業となりました。さらに、遺産を守っていくためにはどうするべきかというテーマでは、環境問題まで話が広がりました。世界遺産はいろんな問題と繋がっていて、生徒たちの視野を広げるきっかけにもなりました。

 生徒にも好評で、「ただきれいだから世界遺産に登録されていると思っていたけど、世界遺産として残されているものにはいろんな意味や目的があるということがわかった」という感想が多数寄せられました。実際に長崎へ行った後、事前の授業のおかげで「負の遺産のひとつとしての長崎」が実感できたという生徒も多かったようです。

──出張講座にはどんな効果がありましたか?

講座終了後に講師の宮澤氏と撮影。話が終わってから熱心に質問をする生徒もいた。
講座終了後に講師の宮澤氏と撮影。話が終わってから熱心に質問をする生徒もいた。

 私は長年世界史を担当しているのですが、つい最近まで今年の生徒の成績は、この25年間で最も悪いものでした。歴史に興味がなく、勉強する意味がないと思っていたから全く勉強をしなかった。しかし現在はその生徒たちが25年間の中でトップとなっています。そのきっかけの一つとなったのが昨年11月の世界遺産アカデミーの出張講座でした。この講座後あたりから、世界史に興味を持ち、きちんと勉強する生徒が増え、成績も上がっていきました。

 生徒たちの授業に取り組む姿勢も変わってきました。かなり積極的で前向きになりましたね。みんな世界史が大好きになったようです。まさに学ぶ楽しさに目覚めたという感じです。子供たちはおもしろいと思ったら後は勝手に勉強するんです。逆に言うと、興味のないものに興味をもたせるのが最も難しい。出張講座はそのいいきっかけになったのは間違いありません。

団体検定実施も視野に

──今後の取り組みについて教えてください

 これだけ生徒にとって有意義なので、もちろん今後もこういった取り組みは続けていこうと思っています。現時点では学校として世界遺産検定までは実施していません。検定のための勉強では意味がないと思っているからです。しかし、今後世界遺産について学んでいく上で、どれだけの知識を身に付け、理解度を深めたかを測るひとつの指標として検定は有効かと思います。生徒が学ぶことを楽しいと感じて自ら取り組み、検定に合格したことが自信に繋がるのであれば実施する意味はあると思います。

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