団体受験事例

世界遺産検定 担当者の声|田邊 泰智氏

EU研修の事前学習にガイダンスを導入
中学生にも世界遺産の勉強を
すすめたい

白梅学園清修中高一貫部
社会科
田邊 泰智氏
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EU研修の事前学習に世界遺産講座を導入

―― 今年の5月、白梅清修では高校1年を対象に世界遺産講座を行いました。どのような経緯で実現したのですか?

 本校は中高一貫の女子校で、中学2年で3週間の英国研修、高校1年では2週間のEU研修を行っています。EU研修は今年で2年目となりますが、今年度は5月にフランス・オーストリア・スイスを訪れました。目的は「国際理解」です。事前学習に世界遺産講座を取り入れたのは、その少し前に世界遺産アカデミーから同様の事例を紹介されたのがきっかけです。

白を基調とした清潔感あふれる明るい校舎。玉川上水をはじめとした豊かな自然に囲まれ、いつでも広々とした気持ちで学ぶことができます。
白を基調とした清潔感あふれる明るい校舎。玉川上水をはじめとした豊かな自然に囲まれ、いつでも広々とした気持ちで学ぶことができます。

 世界史の授業では、様々な場面で世界遺産が登場します。たとえばフランスの絶対王政の学習ではベルサイユ宮殿が登場します。絢爛豪華な衣装をまとった貴族たちが想像されると思いますが、それではなぜ当時の女性たちは日傘を差しハイヒールを履いていたのか?「実はね、それにはこういう背景があるんだよ」という話から当時のパリの生活・文化について学べます。世界遺産に選出されるような建築物は中高生の間でも知名度が高く、イメージを膨らませやすい題材のひとつです。そういう意味でも世界遺産は歴史を学ぶ糸口として優れたものだと思っています。ですからEU研修で訪れる世界遺産について事前に専門家から学べるのは願ってもないチャンスだと思ったからです。

―― 実際に講座を取り入れてみていかがでしたか?

 生徒はEU研修の前に世界史の授業で国際連合や欧州評議会についても学びます。「人種や宗教によって差別をしてはならない」「戦争という過ちを2度と繰り返してはならない」という国際連合の理念を通じて、平和について考えることができるからです。この理念は「平和の礎を築く」という世界遺産の理念と共通しています。講座を取り入れたことで世界遺産という切り口で再度平和について学ぶことができた、その点でも高い学習効果を得る事ができました。また、事前に講義を受けたことによって、世界遺産を綺麗だね、すごいね、と感じるだけでなく、「体系的な知識」をもって見る目が養われました。

余裕のある中学生にこそ世界遺産の勉強をすすめたい

―― 世界遺産講座の後、検定に挑戦した生徒もいました。周りの生徒たちの反応はいかがでしたか?

 今回の講座で初めて検定のことを知り、興味をもった生徒が複数いました。実際検定にトライしたのは2人ですが、本来「学び」とは「自分から知識をつかみに行くもの」ですので、自発的に検定を受けたいという生徒がいたことは世界遺産講座の大きな成果の一つです。合格した2人は「受かった!」ととても喜んでいましたし、周りの生徒たちも一緒に喜んでいました。世界遺産検定という新しい検定に合格者が出て、周囲にも学習意欲が湧くなどの効果がありました。

―― 今後世界遺産検定を学校で実施していくお考えはありますか?

生徒が憩い学ぶ、コミュニケーションの中心部「ラーニングアトリウム」。清修フェスタ(文化祭)の際には発表の場としても活躍します
生徒が憩い学ぶ、コミュニケーションの中心部「ラーニングアトリウム」。清修フェスタ(文化祭)の際には発表の場としても活躍します

 講座があったことで世界遺産に興味を持った生徒が増えたのは確かです。EU研修後は各自が決めたテーマで論文を書くのですが、世界遺産である「ノートルダム大聖堂」や「シェーンブルン宮殿」について論文を作成した生徒もいます。学びのきっかけとして世界遺産はとても優れた題材なので、中学生はもちろんのこと、広く検定の裾野が広がればいいと思っています。

 ただ、問題はタイミングですね。高校になると補習や各種検定試験、模擬試験などどうしても大学受験を意識したスケジュールに追われてしまい、時間的に余裕がありません。生徒の多くは子供のころから世界遺産に親しみをもっているので、勉強も受検も決してハードルは高くないでしょう。高校生よりもむしろ時間的に余裕のある中学生に、世界遺産講座や検定を受けるチャンスを与えられれば、より高い学習効果を期待できると確信しています。

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