出張セミナー実施担当者の声

世界遺産検定 担当者の声|吉成 恭子氏

沖縄修学旅行の事後学習に
世界遺産の特別授業を活用

小野学園女子中学・高等学校
吉成 恭子氏

沖縄の修学旅行で地元の中学生と交流体験を通じて平和の心を学ぶ

―― 今年の5月、小野学園の中3生が修学旅行で沖縄を訪れました。修学旅行の目的は何ですか? またどのような旅行でしたか?

 小野学園のモットーは"社会で生きる。家庭で生きる。両方で生きる。どれでも自由に選べる基礎を身につけます。"です。そのために対話力、柔軟性、緻密性、マネージメント力など「14の力」を養うことを課題にしています。すべての学校行事はこれらの力を育成するためのもので、修学旅行もその1つです。学問や知識を養う力をはじめ、「14の力」すべてが該当するよう、単なる観光に終わらない旅行に組み立てました。

 1日目は普天間中学を訪問して生徒たちと交流し、2日目はひめゆりの塔や糸数壕など南部戦跡を訪ねました。3日目は伊江島で民泊を体験。最後の日はシュノーケリングを楽しんだ後、首里城を見学しました。

 普天間中学では屋上から校庭の向こうに米軍基地が広がっている情景や、学校の上を軍用機が飛ぶのを見る体験もしました。小野学園の上も飛行機は飛びますが、飛行機の種類が違いますよね……厳しい環境で暮らす同世代の中学生から直接話を聞くことで、生徒たちも平和について改めて考えることができたのではないかと思っています。

世界遺産を通じて平和への意識が高まり、高1の世界史へ向けて
いい導入にもなる

―― 事前学習はどのように行いましたか?

 中3生32人全員の1人に1つずつ、沖縄に関する事柄を春休みに調べてくる課題を出しました。テーマは気候、食べ物、方言、野生動物、民族衣装、歴史、基地問題、復帰後のことなど様々です。これを朝のショートホームルームの時間に発表して、沖縄について総合的に学んでいきました。沖縄が第二次世界大戦では戦地になり市民も大きな犠牲を払ったこと、復帰後は米軍の支配下に置かれたこと、今なお米軍基地があることなど厳しい現実も理解できたと思います。

―― 修学旅行の1週間後に世界遺産の特別授業が行われました。事後学習にはどんな意義がありましたか?

 事前学習も大切ですが、事後の振り返りも重要だと考えていました。そんな折、世界遺産アカデミーから特別授業の紹介があって、それなら事後学習に取り入れてみようということになったんです。

 授業では世界遺産の由来や意義など基本的なことだけでなく、沖縄の世界遺産についても写真で紹介してくれました。首里城は雨で十分に見学できなかったこともあり、多くの生徒が首里城そのものが世界遺産だと思っていたようです。建物は火事で消滅したため、世界遺産に登録されているのは土台の部分だけということを知り、「え~っ!?」と驚いていました。また世界各地の遺産を紹介する中で、広島の原爆ドームやアウシュヴィッツなど「負の遺産」があることを知り、その歴史的背景、社会的背景も学ぶことができました。修学旅行の直後にこのような事後学習を行ったことで、沖縄での体験が生徒たちの心に定着したと思います。また世界遺産を通じて世界に目を向けることで、高1から始まる世界史の授業へのいい導入になったとも感じています。

「教科の達人選手権」に社会科は世界遺産を採用

―― 他にも世界遺産を授業で活用したことはありますか?

教科の達人選手権
学校行事「教科の達人選手権」で社会科は今年「世界遺産ベスト100」を開催。世界遺産は学年の枠を超え中高全員が楽しめるテーマだ。

 昨年から、中高全員参加で「教科の達人選手権」を行っています。興味のある科目を1つ選んでその知識を競い合うというもので、今年、社会科は「世界遺産 ベスト100」をテーマに選びました。生徒には100の世界遺産についてそれぞれヒントを3つ出し、それがどこか調べてくるという夏休みの宿題を出しました。そして夏休み明けに、百人一首と同じ要領で読み札は「世界遺産の3つのヒント」、取り札は「世界遺産の名前」でカルタ大会を体育館で行いました。中1から高3までハンディなし。決勝戦は体育館一面に並べた大きな札を走って取るというゲーム性もあり、みんな楽しんでいましたね。結果は優勝が中1生、2位が高3生、3位が中3生でした。みんなが楽しめて中学生でも優勝できたのは、テーマが世界遺産だからだと思います。もしテーマが日本史や世界史だったら、中学生と高校生ではハンディがついてしまいますからね。

 興味のある科目として社会科を選んだのは256人中51人でした。中3生が昨年より増えたのは、世界遺産の特別授業の影響もあったと思います。アンケートでは「面白かった」「来年も世界遺産でやって欲しい」という声もあり、学年問わず生徒たちが世界遺産に興味を持っていることを感じました。社会科の切り口としていいテーマだと実感しています。

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