出張セミナー実施担当者の声

世界遺産検定 担当者の声|加藤 雅樹 氏

平和学習の一貫として世界遺産の
特別講義を実施
世界遺産は生徒にとって「世界」を
身近に感じる素材

横須賀学院中学・高等学校
社会科
加藤 雅樹 氏

―― キリスト教の教えを建学精神とする横須賀学園では平和教育に力を入れており、中学の修学旅行においても、沖縄を訪れ、戦争の悲惨さと平和の大切さを体感する体験学習を実施されています。2010年度には、その事前学習の一環として世界遺産アカデミーの特別講義を取り入れられました。内容や生徒たちの反応を教えてください。

 当校では生徒たちに戦争の事実を伝えるには、さまざまな切り口から情報を伝えることが必要であると考えています。そこで今回、世界遺産アカデミーの講師をお招きして講義を行っていただきました。

 まず世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」を題材に、琉球王国の歴史と沖縄固有の文化をご紹介いただきました。そして「首里城の建物は第二次世界大戦で破壊され、その後再建されたため建物の土台だけが世界遺産として登録されている」という事実を通し、戦争が沖縄の文化継承に対してもいかに大きな爪あとを残したのかということを話していただきました。さらに、世界遺産の中には「戦争や奴隷貿易など、歴史の中で人間がしてしまったひどい行いを記憶して、二度と繰り返さないようにする」ための"負の遺産"が存在し、日本の「広島平和記念館(原爆ドーム)」が登録されていること、世界遺産は平和のシンボルであることなども教えていただきました。

 世界遺産の精神を深く理解するのは難しいと思いますが、関心を持った生徒もいたようです。ここで学んだことは、なんらかの形で記憶に残っていくのではないかと考えています。

―― 加藤先生は、社会科の授業で世界遺産を紹介することがあると聞きました。どのような形で紹介されているのですか?その理由や、生徒の反応を教えてください。

先生自身がオーストリアのシェーンブルン宮殿を訪ねたときの写真。世界史の授業でマリア=テレジアが出てきたときにこの写真を使って、世界遺産の紹介もしている。
先生自身がオーストリアのシェーンブルン宮殿を訪ねたときの写真。世界史の授業でマリア=テレジアが出てきたときにこの写真を使って、世界遺産の紹介もしている。

 私自身旅行が好きで、イタリア、フランスなど、欧州を中心に、いくつかの世界遺産を巡りました。世界遺産を学ぶ「世界遺産検定」のことも、特別講義以前から知っていました。やり始めたらとことん突き詰めてしまうタイプ(笑)なので、時間的な問題などから受検には踏み切れずにいますが、世界遺産自体には関心をもっています。そんなこともあって、世界地理や世界史の授業で「この場所には、こんな世界遺産があって・・・・・・」というような話を盛り込んでいます。例えば、高校の世界史で学ぶ建築様式、ゴシックやロマネスクなどを世界遺産の建築物を題材にして話したり、トルコについての授業では、カッパドキアの岩石群を紹介したりしました。

 地理にしても、歴史にしても、中高生にとって「世界」となると、どうしてもイメージしづらい部分がありますよね。少しでも身近に感じてもらうことは、学習意欲を高める上で重要です。その意味において世界遺産はいい素材だと思います。世界遺産は世界各地の歴史や自然、地理的特徴などが深く絡み合って、その土地の固有性を伝える象徴ですが、「概念」ではなく、現在も「存在」するものですよね。その分生徒たちにとっても明確な像を結びやすいと思うのです。

こちらも同じく先生がローマの歴史地区のカラカラ浴場に尋ねたときの1枚。授業でカラカラ帝が登場する際にこの写真を紹介すると、学生たちは迫力のある遺産に引き付けられ興味深く話を聞くそう。
こちらも同じく先生がローマの歴史地区のカラカラ浴場に尋ねたときの1枚。授業でカラカラ帝が登場する際にこの写真を紹介すると、学生たちは迫力のある遺産に引き付けられ興味深く話を聞くそう。

 たとえば、建築様式を学ぶ際でも、「ゴシック建築」の特徴を説明するだけでは、なかなか興味が湧きづらい。そんな時、ゴシック様式のアミアンの大聖堂(フランス)、ケルンの大聖堂(ドイツ)など、「実際にあるもの」を提示すると、「おっ、すごい」と興味を掻き立てることができるのではないかと考えています。

 世界遺産はメディアで紹介されていますから、その美しさや壮大さに心魅かれている生徒たちもいます。世界遺産を紹介しつつ「興味があって行きたいなら、行けるよ」と言うと、夢が膨らむようです。彼らは将来、もし興味があるなら、いくつもの世界遺産を訪れることもできます。何かのきっかけで、世界の広さや多様性に目を向けることは、彼らの将来の可能性を広げる上でも、とても大事だと思います。

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