佐滝 剛弘さん
職業:マスコミ 東京都
―― ジャーナリストとして、世界遺産についてどのように伝えたいと思いますか?
テレビ番組を作るなら、その世界遺産のどこに価値があるのかに重点を置いたものにしたいですね。個別の遺産の紹介ではなく、ジャンルまたは時系列で切り口を変えて広範囲の世界遺産を比較してみたいです。例えば木造教会の世界遺産は、僕がとても好きなポーランドの「ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会」をはじめ、ロシア、ノルウェー、スロバキアなど石の文化圏と思われているヨーロッパに国境を越えて広がっています。これらは違うものだけれど、文化的には強 いつながりがある。それらを俯瞰して見るスケールの大きい番組が作りたいですね。
どうしても伝えたいのは、文化の多様性がとても大切なこと、文化間には差異はあっても優劣はなく、違うからこそ素晴らしいということ。これは世界遺産の根底概念だと思いますし、そうやって知らない国に美しく価値のあるものを見つけることは、平和と環境を守ることにつながっていくでしょう。
ポーランドの世界遺産「ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会」。17世紀、宗教戦争の末期に作られた。込められた平和への願いや、地域を支配したほかの宗派から「長持ちする石造りの教会は作ってはいけない」という制約をものともせずに、現在まで建つ建築物を造り上げた経緯を知るほどに心を打たれる。
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