世界遺産アカデミーユネスコスクール
世界遺産検定

世界遺産学習に取り組むユネスコスクール事例

世界遺産学習に取り組むユネスコスクールの事例をインタビューしました。

世界遺産学習で「地球の宝物」と「町の宝物」について学ぶ

世界遺産学習で「地球の宝物」と「町の宝物」について学ぶ

ユネスコスクールを取り入れたきっかけと、活動内容をご紹介ください。

君塚 本校には学区域にある東京国際交流会館から外国籍の児童が通学しており、日本語を指導する日本語学級も備えています。そんな環境の中で「国が違っても互いに認め合いみんな仲良くしよう」という理念で、'04年に国際理解教育の研究協力校になりました。そして国際理解教育と理念が重なるユネスコスクールの存在を知り、'06年に承認を受けました。ユネスコスクールに登録されたことによって、これまでの国際理解教育から視野を広げて、ESDという視点から校内での研究を進めています。

 主な活動は国際交流集会と東雲フェスティバルです。国際交流集会では、毎年1つの国を決め、多彩なゲストを招いてその国の文化を学んでいます。東雲フェスティバルは、各学年がESDで学んだことを全校、そして地域の方々に向けて発表する全校学習発表会です。毎年4年生は「世界遺産」がテーマ、5年生は「ユニセフの活動」をテーマに、募金や物資の寄付を呼びかけています。

 ユネスコスクールになると予算がいただけるので、外部の講師を数多く招くことができます。また「東雲小学校はユネスコスコールである」という特徴を地域の方々にアピールでき、応援していただけるのも学習の励みになります。


世界遺産学習を取り入れた理由や、子供たちの反応は?

'11年1月に行われた東雲フェスティバルの様子。「核爆弾の現状」について生徒たちがレポートしている。
'11年1月に行われた東雲フェスティバルの様子。「核爆弾の現状」について生徒たちがレポートしている。

福島 3年生で「江東区の宝物」について学ぶので、4年生では視野を広げて「地球の宝物」である世界遺産をとりあげています。世界遺産を学ぶようになってから、子供たちも「お母さんがこんなことを話していた」「テレビに出ていた」「新聞に載っていた」など、興味が深まっているのを感じます。そこで今年は世界遺産についてもっと系統立てて話していただこうと思い、初めて世界遺産アカデミーの講師をお招きしました。世界遺産とは何か、それぞれが個性ある遺産であること、見方が違うと争いになることなど、大切な事柄を学べたと思います。子供たちからも「いいと言えば世界遺産になれると思っていたけど、そうではなかった」「戦争をやめてみんなで守ればいいのに」などの感想が寄せられています。国語で習う「みんなちがって みんないい」という金子みすゞさんの詩の意味が、世界遺産の学習を通じて「国を越えてもそうなんだ」というふうに理解できたのだと思います。

「地球の宝物」を学んだところで再び自分たちが住んでいる町に意識をもどし、祭り・踊り・自然・食べ物など「みんなの宝物」、そして「それを保ち続ける努力をしている人たち」にも思いを及ばせたいと思っています。

君塚 世界遺産は人権問題や環境問題など、展開の仕方によってすべてに関わってくるテーマです。学年に応じた深め方があり、工夫次第で十分開発の余地がある教育資源ですね。

今後はどんな取り組みを考えていますか?

授業のあとの質問コーナーでは、「世界遺産がいちばん多い国はどこですか?」など素朴な疑問がたくさん出た。
授業のあとの質問コーナーでは、「世界遺産がいちばん多い国はどこですか?」など素朴な疑問がたくさん出た。

君塚 ESDに取り組んで5年がたち、ノウハウもだいぶ蓄積されてきました。今後はさらなる教材の開発が課題だと考えています。ただ、これらに取り組む総合的な学習の時間が、年間75~100時間から来年度は70時間へと減ってしまいます。どう70時間に絞り込んでいくか、職員と相談しながら進めることがもう1つの課題です。

(2011年2月現在)

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