世界遺産検定 認定者の声

世界遺産スペシャリスト 石井 直美さん

認定級世界遺産スペシャリスト・
マイスター

石井 直美さん(40代)

株式会社JTBワールドバケーションズ勤務

世界遺産が生む新しいツアーと効果的な誌面

―― 世界遺産に興味を持ったきっかけは?

 私は海外旅行専門会社でパッケージツアーのパンフレット作成に関わる仕事をしています。

左と右が石井さん担当の「心ゆく旅」と「大自然を歩く 世界遺産を歩く」パンフレット
左と右が石井さん担当の「心ゆく旅」と「大自然を歩く 世界遺産を歩く」。世界遺産はお客様へのアピールも強く、しばしば方面横断的に取り上げられる

 先日、私が担当したパンフレット、ルックJTBの「心ゆく旅」と「大自然を歩く 世界遺産を歩く」が全国に配布されました。通常旅行会社が作るパンフレットは、ヨーロッパやアジアなど方面ごとの担当者が作成しています。しかし、前者はゆとり世代のためのゆったり紀行を、後者は世界遺産でのハイキングをテーマとしており、それにあった旅先を世界中から厳選しています。私はこうした「方面横断型」のパンフレットの編集・進行管理をはじめ、配送手配、精算なども行っています。

 私が入社して最初に担当したのは中近東とアフリカでした。この方面の一番の売れ筋はエジプトとトルコです。エジプトならピラミッド、トルコならイスタンブルが目玉ですが、いずれも世界遺産。ツアーを企画したり、パンフレットを作っているうちに、世界遺産への興味が広がりました。

 やがて中近東、アフリカ、ヨーロッパについてはかなり詳しくなりましたが、私の興味の範囲はこの地域にとどまりませんでしたし、視野の狭さも感じるようになりました。担当の方面を離れて世界についてもっと広く学びたいと思うと同時に、これまで身につけた知識を形にして残したいとも考えました。そこで注目したのが世界遺産です。

 世界遺産は世界中に散らばっていますし、文化から自然までジャンルも多彩です。どこに何があるといった通り一遍の知識でなく、歴史や地理などの背景をおさえて体系的に学べると思いました。

 勉強を開始して2007年にシルバー(現2級)をとると、2008年にゴールド、2009年に1級と、すっかりハマってしまいました。実務経験等の要件を満たしていたので、世界遺産スペシャリストになることもできました。

―― 世界遺産の知識はどのように役立っていますか?

 まず、世界中の幅広い知識が身につきました。

 旅行会社での仕事は担当方面に特化することが多いので、どうしても狭い地域の知識にとどまりがちです。それでは私が現在担当しているような方面横断型の商品には対応できません。

 世界遺産には自然も文化もありますし、その背景まで学べます。たとえば登録基準。世界遺産に登録されるためには10ある登録基準の少なくとも1つをクリアしなければならないのですが、その遺産のどこに価値があるのかは登録基準の項目を見ればわかります。これがそのままお客様へのアピールポイントになります。

 たとえば、フランスのモン・サン・ミシェルはパリから日帰りでも行ける人気の世界遺産ですが、島内や対岸に泊まるツアーも企画しています。昼間とは違う静けさや、幻想的な夕景・夜景など、泊まることで初めて味わうことのできる側面があるのです。その場所の魅力を引き出すことで、より付加価値の高いツアーが企画できたり、誌面でお客様に魅力を伝えられたりするわけです。

 そして、幅広い視野が身についたと思います。

 旅行会社はツアーが売れなければ仕方ありませんし、お客様に満足していただかなくてはなりません。そう思って仕事を続けていくうちに知識が偏ったり、独りよがりになりがちです。もっと面白く、もっとアピールできないかを常に考えて、新しい視点や効果的な方法を探さなければなりませんが、そのためには熱意と冷静さをあわせもち、様々な視点で見ることが大切です。

 世界遺産で多様な文化を学ぶことで、いろいろな考え方を知ることができます。たとえば私は世界遺産を学んでから日本を見直しました。客観的に世界を眺め比較することで、日本の新しい価値に気づくことができました。こうした視点は仕事で役立つだけでなく、人間的な深みも与えてくれると思います。

 世界遺産スペシャリストは、幅広い知識と視野に加えて、旅行業での実務経験や旅行経験を問われる資格です。自分を成長させ、仕事をより充実させるきっかけとして、とても面白い資格なのではないかと思います。

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