

検定受験へのサポート開始!
学びを通じ、スキルアップはもちろん、
旅行業で働くことの“意味”を見出してほしい
株式会社JTB首都圏
湘南藤沢支店 業務課長(09年4月当時)
山中 章弘氏
―― 御社は、2009年度より人材教育の一環として「世界遺産検定」を取り入れ、サポート体制の整備にも取り組んでおられますが、活動推進に力を尽くされている山中さんから、改めて現在の状況及び具体的なサポート体制などをお話ください。
まず、2009年6月に行われる世界遺産検定に湘南藤沢支店及び周辺支店の社員20名(4月10日現在)が挑戦することになり、早速、受検のためのガイダンスも実施しました。
サポート体制に関しては、JTB首都圏として、検定合格者に対する受検料の全額負担を決めています。まだ取り組みは始まったばかりですが、検定に挑戦する社員にどんどん情報提供をしていきたいですね。また、世界遺産検定は、習熟度合いに応じて上のランクに挑戦できる仕組みなので、継続的にチャレンジしてほしいと考えています。ちなみに、湘南藤沢支店では、世界遺産検定1級合格が認定要件の一つである「世界遺産スペシャリスト」を3年計画で3人輩出する目標を立てています。
―― 今回の世界遺産検定の受検促進は、山中さんご自身が積極的な働きかけをなさったそうですね。山中さんが、世界遺産検定に注目されたきっかけや理由などを教えてください。
著作を愛読している本田直之氏(『レバレッジ勉強法』などの多数の著作あり)が世界遺産アカデミーの会員でいらっしゃることから世界遺産検定に興味を持ちました。そして、調べれば調べるほど、我々にとって有意義な検定であると感じたのです。
お客様の「旅」への要望がますます多様化していく中で、我々がそのニーズに応えていくためには、スキルや知識の向上が欠かせません。
旅行業従事者としての基礎知識に加え、特定分野における知識・教養も必要なのです。特に、JTBグループの中でもっとも大きなマーケットを有し、お客様のニーズも先行している株式会社JTB首都圏においては、その必要性が高いといえるでしょう。こうした背景から、既にウェディングコンサルタント、クルーズコンサルタントなどの資格取得を奨励していますが、「世界遺産検定」も加える必要があると考えました。
実際に、私たちが取り扱うツアーの中でも世界遺産をめぐる旅というのは非常に多く、お客様の関心も高いものがあります。特に、熟年・ゆとり世代のお客様が多い湘南藤沢支店ではその傾向が強く、世界遺産に精通した社員の存在が業界での競争優位性に結びつくのではないかと期待しています。
―― JTB首都圏で取り組みが始まったということですが、世界遺産検定を学ぶことは、JTBグループ全体の方針などとも合致しているとお考えですか?
世界遺産検定は、JTBグループ全体の人財育成方針、経営理念やビジョンにも合致していると思います。
まず、人財育成という側面から、その理由をお話しましょう。「快適で豊かな旅」というカタチのないものを提供する旅行業は、「人」こそが最大の経営資源。まさに、「人の成長=企業の成長」なのです。特に、予約などの定型的な業務がインターネットを通じて簡単に行えるようになった今、社員に求められていることは、「付加価値」を自律的に創造できる力です。それを踏まえ、当グループでは、「自律創造型社員の実現」という基本方針を掲げ、社員の自発的な学習と成長を促進する施策をとっています。その施策の一環として、世界遺産検定は適した素材だと考えています。
と言いますのも、同検定は、学ぶ者に「気づき」「発見」を与えてくれると思うからです。今回検定を受ける社員も「やらされている」のではなく、「自分自身を成長させたい」という気持ちで挑戦してくれると確信しています。
―― 先ほど、世界遺産検定はJTBグループの企業理念とも合致しているというお話がでましたが、その点について、もう少し詳しく教えてください。
JTBグループの経営理念は、「平和で心豊かな社会の実現に貢献する」です。このことは、世界遺産条約を決議したユネスコの理念である「人々の心の中に平和のとりでを築く」という精神と重なります。こうしたユネスコの精神から創設された世界遺産の意義を基本から学べるのも、世界遺産検定の大きな特徴です。だからこそ、学ぶことで、JTBグループの理念を活きたものとして自身の中に定着させることができるはずだと思うのです。ぜひ、検定に挑戦する社員には、学びを通じて、地球や人類が脈々と培ってきたものを守り、後世へと伝えていくことの大切さを心の奥で理解してほしいですね。その理解は、旅行業に携わる者として何ができるかを考える基盤になり、仕事の意義や意味を見つけていく指針となると思います。
―― 旅行業界で働くことの意味を見出すために世界遺産検定は役立つということですが、それは、業界を志望する学生の方にも言えることでしょうか? そのことを踏まえて、検定に挑戦したいと思っていらっしゃる学生へのメッセージをお聞かせください。
当社及び旅行業界の仕事は、学生の方が想像していらっしゃる以上に大変な仕事です。壁にあたって悩むこともあるでしょう。そんな時、自分の働く意義や意味がとらえられていれば、目の前の悩みに押しつぶされず、頑張ることができると思います。その意味において、世界遺産を学ぶことは、短期的な意味合いで「仕事に役立つ」という以上に、長期的かつ普遍的な「価値」があるはずです。 私自身、学び始めて感じるのですが、世界遺産を学ぶ意味は、過去の歴史を学び、文化や自然の多様性を知り、そこから「真実」を自らの力で見出していくことだと考えます。
―― 受講されていかがでしたか。
店頭にご来店されるお客様の旅行相談のなかで、提案はとても重要だと認識しています。熟年層を中心にお客様の世界遺産への興味・関心は非常に強く、仕事に役立つと思って、受検を決めました。まずは、3級から挑戦するつもりです。ガイダンスを受けて、世界遺産の創設の背景や多様性などを初めて知りました。こうしたことを学ぶことで、表面的な説明以上のことをお客様にお伝えでき、お客様の旅への思いをより豊かなものにできるのではないかと期待しています。