菅沼 孝陽氏/株式会社阪急交通社

株式会社阪急交通社 人事課 副課長 菅沼 孝陽氏

株式会社阪急交通社

人事課 副課長

菅沼 孝陽氏

若いうちから幅広い業務に関わり 世界遺産の知識を十分に活かすことができます

―― 世界遺産検定の団体受検を実施し、マイスター認定者も出している株式会社阪急交通社。どのような事業展開をされているのか教えてください。

 当社は「自社でツアーを企画し、その魅力を自社で伝えていく」ということにこだわっています。旅行会社といえば、カウンター店舗でさまざまな旅行パンフレットを並べてご案内する接客営業を思い浮かべられると思いますが、当社の場合はそうした「カウンター業務」の比率は比較的少ないほうです。阪急交通社が企画したツアーをメディアで告知して、反響をいただいたお客様に対して、DMや月350万部発行している自社オリジナルの旅の情報誌『トラピックス倶楽部』などをお送りしてリピーター、ファンになっていただく、というビジネスモデルをとっています。ですので、若い社員であっても、現地に下見に赴いたり添乗員としてツアーに同行することによって、現地の知識を習得し、お客様目線が養われ、支持されるツアーを企画できるようになります。またそれを販売するために、ツアーを告知する広告を制作、出稿するなど、さまざまな業務に主体的に関わります。

旅の情報誌『トラピックス倶楽部』。そのツアーを企画したスタッフも登場する。「世界遺産検定認定者が企画した、といったことも打ち出せていけたら」と菅沼さん。

―― そうしたビジネスモデル、働き方だから、世界遺産検定の挑戦を奨励されていらっしゃるということですね。

 はい。企画業務に従事する社員だけではなく、すべての社員が「自分たちで付加価値の高いツアーを創るのだ」という意識をもち、「旅のプロ」としての知識を貪欲に吸収する姿勢を持ってもらいたいと思っています。その中でも世界遺産の知識は大いに業務に活かされます。というのも主要な告知媒体が新聞広告であることもあり、お客様はシニア層の比率が高く、テーマ性の高い旅を選択する自由があります。このテーマの一番人気が「世界遺産」なのです。

 実際にパンフレットなどに「世界遺産」の文字があるだけで注目度はアップしますし、ツアー後のアンケートで「次はどんな旅をお望みですか?」と伺うと「世界遺産を巡る旅を」という回答を多数いただきます。また、シニア層のお客様ご自身が知識を貪欲に吸収される傾向がありますので、提案する側としては単に世界遺産の名前を知っているだけではなく、より深い知識が求められるとも言えるでしょう。そのため、世界遺産検定の学びを様々な職種の人材に薦めるべきものと位置づけており、合格者の受検費用を全額負担する支援制度なども設けています。また新卒採用に関しても、2017年度採用からエントリーシートの資格記入欄に世界遺産検定を入れることにしています。

お客様は世界遺産への関心が高く、上質な旅を志向するシニア層が中心。パンフレットには世界遺産のツアーが多く紹介されている。

―― 御社を志望される学生に世界遺産検定の学びを薦めたいということでしょうか。

 もちろん他の資格と同様、検定合格が採用の条件になるわけでありませんが、世界遺産検定の学びを楽しめるという姿勢は大いに評価すべきものと考えています。世界遺産検定の学びは旅に関心がある方にとって楽しいはずで、その楽しさの本質は知的好奇心だと思うのです。この知的好奇心こそ、自社で新たなツアーを生み出している当社で仕事をしていくうえでとても大切な資質なのです。また学びの成果を試すために検定に「挑戦する」という意欲も、若いうちから企画や広告制作と言った業務に挑戦できる当社で働く上で求められるものです。入社を検討してくださる方には、ぜひ楽しみながらの検定に挑戦していただきたいですね。

(2015年8月)