丸藤 知子さん/フラワーデザイナー

丸藤 知子さん

認定級 プラチナ・シルバー

丸藤 知子 さん

フラワーデザイナー

世界遺産を通じて素敵な仲間ができました

―― ナビゲーターになるまでの経緯は?

 少し前に遡りますが、私は80年代後半から90年初頭にかけ、英国に5年間住んでいたことがあります。フラワーデザインを学ぶ傍ら、建築や美術の勉強もしていました。それが高じ、同じ興味をもつ人々とグループを作り、英国人の講師を招いて、美術館巡りや建築様式の実地勉強会などを行った経験もあります。Overseas Women's Club のパーティが国会議事堂で開催された時には、めったにないチャンスと参加をした思い出も…。

 また、英国は、週末や短い休暇を利用してのカントリーサイドの旅や、1年に2~3回の海外旅行は当たり前。その中で特に印象に残った旅はエジプトとケニアでしょうか…。
 ありとあらゆる文化が混在しているヨーロッパの地に住むことになって、日本では潜んでいた知的好奇心が、旅によっていっそう掻き立てられたように思います。

 世界遺産検定に興味を持ったきっかけは、第1回検定実施日の3カ月くらい前、仕事の帰り途、たまたま学士会館で検定のポスターを見かけたことです。ここに貼ってあるから信用できる検定だと思う一方、今からでも間に合うかなと思いましたが、HPで検索して、世界遺産検定通学講座に申し込みました。

 世界遺産は、英国滞在当時に学んだ建築美術だけでなく、自然科学、民族、紛争、歴史などなどあらゆるものが網羅されているため興味深く、勉強のし甲斐があると思いました。

 無事第1回の検定でシルバー(現2級)を取得しましたが、その後の試験がまだ予定されておらず、どうしようかと考えていたときに、シルバー取得者対象に、ナビゲーター制度を立ち上げるという話があり立候補しました。私は、次に受ける方のために、お役に立てるものであれば、ナビゲーターの活動もしてみたい。世界遺産を勉強すると楽しいですし、いい仲間もたくさんできる。かつ自分自身のためにもなるのではないかと思いました。

受検対策に作成したノートは見開きで一目瞭然にわかるようにしたことがポイント。中国やインドの皇帝、関連遺産を時代で覚えた

―― ナビゲーターになってよかったことや、これからの目標などを一言

 世界遺産に興味を持つ人たちは、いろんな分野から集まってきます。ナビゲーターになってよかったのは、そんな仲間と知り合い、視野が広がったことです。ナビゲーターになって、様々な年齢層の方々と、同じ立場で、世界遺産についてお話できるようになったのが、すごくよかったなと思います。先日はナビ友(ナビゲーターを通してお友達になった人々)数人と一緒に石見銀山遺跡へ行きました。世界遺産について語りながらの旅はとても楽しかったです。

 ナビゲーターとしての今後の目標は、世界遺産を学ぶ楽しさ面白さをもっともっといろいろな人々に伝えて行けたらと思っています。

 例えば世界遺産を勉強したことによって、自分の暮らしが豊かになったということ。小さなことですけど、ワインのラヴェルを見て、「あ! この帆立て貝の印はサンティアゴ・デ・コンポステーラ!?」と閃き、裏を返して、ラヴェルの説明を読めば、そんな由来が書いてある。ワインの味が時空を超える。とても豊かで楽しいひと時。そんな楽しみ方もあると、伝えたい。そして、先ほど触れた、世界遺産を勉強することによって知り合えた仲間。世界遺産が人類の宝物なら、仲間はこれからの私の人生の宝物になりえると…。

 また、三年前から勉強し始めた手話を通して、旅行が大好きな聴覚障害者の方々へも、世界遺産の素晴らしさを少しでも伝えることができればと思っています。

 ユネスコの精神を反映したものが、世界遺産。それを勉強することによって、障害者を含む、相互理解が、ひいて世界平和へ通ずるものと信じています。そんなことを少しでも皆さんが気づいて下されば嬉しいなぁと思いつつ、これからも世界遺産の勉強を続け、ナビゲーターの活動もしていきたいと思っています。