世界遺産検定

旅へ導くプロフェッショナル世界遺産スペシャリスト

世界遺産スペシャリストインタビュー

世界遺産とともに『深みのある旅』を
株式会社ジャルパック ツアーコンダクター 櫻井 昌一さん

――櫻井さんは「スーパーTC」に認定されたツアーコンダクターとして活躍されていらっしゃいます。受検のきっかけや取り組まれた感想を教えてください。

 世界を旅することに魅了されたきっかけは、大学時代の1年間にわたるアメリカ旅行です。その後憧れだったジャルパックでツアーコンダクターとして仕事をするようになって33年。ヨーロッパを中心に巡った国は、100カ国以上、訪れた世界遺産も350件以上になりました。

 検定に挑戦したのは会社がスペシャリストの取得を推奨しているからですが、改めて学んでみて、ユネスコ憲章と世界遺産の理念に深い感動を覚え、また各国の世界遺産について知識・見聞を深めることは、相互理解に繋がるという強い確信を得ることができました。

 「世界遺産」の理念は、私がアメリカを旅して以来、常に感じ続けてきた「世界が平和であることの大切さ、多様な文化間の相互理解、自然への畏敬の念」にも通じるものがあります。幸せなことに多くの方の旅のお手伝いをさせていただき、世界遺産とその背景などをご紹介していく中で、私自身も改めて思いを新たにし、公私ともに旅の喜び、感動、深みが増したように思います。

 旅行にご一緒させていただく際は、新しい発見や感動に満ち溢れた「深みある旅」になるようお客さまのお手伝いができればと思っております。美しき地球、素晴らしき世界、そして感動の世界遺産へご一緒させていただける喜び、幸せを胸に、お客様を心よりお迎えしております。

――スペシャリストとして、おすすすめの旅のプランなどがあれば教えてください。

 オススメは東ヨーロッパですね。特にバルカン半島、中でも旧ユーゴスラビアの国々は色々な発見があるように思います。旅としての楽しみはもちろん、歴史・文化・自然・平和などを身近に感じていただけるディスティネーションですので、より深みのある旅になるように思います。

「アドリア海の真珠」とうたわれる「ドブロヴニクの旧市街」(クロアチア)の美しい街並み
「アドリア海の真珠」とうたわれる「ドブロヴニクの旧市街」(クロアチア)の美しい街並み

 まずはクロアチア。美しいアドリア海といくつもの島々、そしてダイナミックなディナル・アルプス。新鮮な魚介料理をはじめとする地中海料理・ワインなどのグルメといった魅力はもちろんですが、世界遺産としても魅力がいっぱいです。例えば、クロアチア国民がその類まれな努力によって内戦時の破壊から守リぬいた「プリトヴィツェ湖群国立公園」や古代ローマ遺跡(スプリット)をはじめとする歴史的建造物群、『危機遺産』から蘇った「ドゥブロヴニクの旧市街」などです。

 ドゥブロヴニクからはデイ・ツアーで、南下すればコトル(モンテネグロ)へ、また北上するとモスタル(ボスニア・ヘルツェゴビナ)といった世界遺産を訪れることもできます。ちょっとユニークな自然遺産、シュコツイアン洞窟群のあるスロベニアも加わると更に魅力的な旅になってきますね。

世界最古の議会の遺構があり大陸プレートの割れ目が見られる「シングヴェトリル国立公園」(アイスランド)
世界最古の議会の遺構があり大陸プレートの割れ目が見られる「シングヴェトリル国立公園」(アイスランド)

 個人的には美しい地球の大自然をこよなく愛しておりますので、1つというとなかなか難しいのですが、タンザニアの「ンゴロンゴロ自然保護区」、「キリマンジャロ国立公園」、「セレンゲティ国立公園」の世界遺産トライアングルは大感動間違いなし!もう夢の世界です。

 そしてなんといってもアイスランド!世界遺産に登録されているのは「シングヴェトリル国立公園」(文化遺産)、そして「スルツェイ島」(自然遺産)の2つだけですが、私的見解!ではアイスランドという島全体がまさに「世界遺産」のようなところ。美しくかけがえのない「地球」を心と体で思い切り感じていただけるとっておきのデスティネーションです。

オーロラ(アイスランド)写真提供:アイスランド航空
オーロラ(アイスランド)写真提供:アイスランド航空

 火山・氷河に代表される「グレート・ネイチャー・アイランド」。冬でも通常の観光が可能なアイスランドですが、それに加えてこれからのシーズンはやはりオーロラ!感動を超えてしまうかもしれませんね。食事も美味しいですし、ブルーラグーンでそして温泉付きのホテルでもホッコリと。なんてことになりますと、もうすぐにでも行きたくなってしまいますでしょ。

 プライベートでも国内外を問わず「世界遺産の旅」を続けています。これからも、たくさんの夢と感動の世界を旅していきたいと思っています。

(2015年1月)