世界遺産×SDGsチャレンジ!活用事例
世界遺産×SDGsチャレンジ!での学びを活かし、さまざまな活躍をされている方の事例をご紹介します。

青森県立青森南高等学校
右から、原田 愛子さん / 黒田 瑞希さん / 葛原 沙紀さん
(2021年度 プレゼンテーション部門 最優秀賞)
3人で世界遺産検定を受検したときに「負の遺産」の存在を知り、原爆ドームに興味をもったことがきっかけです。
私たちの住む青森県でも、太平洋戦争のときには空襲がありましたが、若い人達にとっては遠い昔のことであり実感が伴いません。いま、日本の全人口のうち約9割が戦後生まれと言われています。戦争の記憶を継承するためには、私たち若い世代が戦争のことを知り、より若い世代に伝えていくことが大切だと感じ、「世界遺産×SDGsチャレンジ!」への参加を決めました。総合的な探究の時間でSDGsについて学習し、SDGsの重要性を実感していたことも、参加理由のひとつでした。
初めての動画作りでしたが、見る人を惹きつけられるようにBGMをつけたり、イラストを多く使うなどの工夫をしました。また、動画内の資料で使う色は、私たちが特に深く研究したSDGsの目標16番『平和と公正をすべての人に』の青色を基調とすることで統一感を出しました。
動画を作るにあたっては戦時中に空襲を体験した人や遺族の方々にお話をうかがったのですが、戦争の悲惨さを知るにつれて「この経験は、自分たちが語り継いでいかなければいけない」という思いがより強くなりました。
自分たちが学んだことをさらに下の世代に伝えるべく、中学校を訪問し「戦争の記憶の継承の重要性」と題した出前授業を行いました。出前授業では世界遺産の理念についても話をしたのですが、中学生からは、「戦争をなくすには、まず相手の国のことを知る必要があるのではないか」という意見がありました。他国のことを知る、多様性を認め合うことの重要性が中学生にも伝わり、嬉しかったです。
今回の「世界遺産×SDGsチャレンジ!」への参加を通じ、今も世界のあちこちで続いている紛争や争いにも目が向くようになりました。世界の問題にもっと関心を持ち、知識や理解を深めるとともに自分にできることは何かを常に考えていきたいです。

世界遺産が抱えているさまざまな課題を探究することでSDGsの各目標を理解し、世界の多様性を学び、主体的に行動する良い機会となりました。今回3人は世界遺産検定を受検したことで「負の遺産」を知り、広島だけでなく地元の青森でも空襲があったことに着目しました。青森空襲体験者の方々に自分たちでアポイントメントをとって取材に出かけ、興味・関心から探究し、プレゼンし、実践するところまでやり遂げました。実際に中学生と議論することで新たな課題や改善を加え、まだまだ探究しています。このような貴重な機会をいただけたことに感謝するとともに、卒業後も探究心をもって何事にも取り組んでほしいと思っています。