世界遺産委員会の初日は、参加者登録とオリエンテーションから始まります。
ユネスコ本部正面の入口ではなく、裏側のホール前の入口で登録が行われますが、開始時間直前でも人はまばらです。開始時間を過ぎる頃にようやく人が集まり始め、20分遅れくらいで受付が開始しました。さまざまな国からの人がいるようでしたが、アジア系が多く目についた気がします。アジア系が一番時間通りに来るからかもしれません。
委員国や、委員国以外の締約国、諮問機関関係者などは別のミーティングもあるのですが、オブザーバー参加者はユネスコ内部をふらふらしながらオリエンテーションが始まるのを待ちます。
ユネスコ本部の建物は1958年に建てられたもので、アメリカのマルセル・ブロイヤー、イタリアのピエール・ルイジ・ネルヴィ、フランスのベルナール・ゼルフュスの3名の建築家が設計を行いました。モダニスム建築の建物内に大小の会議室がいくつも配置されていて、迷路のようですが、さまざまな国の芸術作品などが飾られていてとても素敵な建物です。僕の好きなジャコメッティの作品やピカソの壁画もあって。
これまた20分遅れで始まったオリエンテーション・セッションでは、アソモ世界遺産センター長から国際協調を再確認する場にするという挨拶があり、その後は事務的な確認が続きました。
1972年版の世界遺産条約、2024年版の作業指針、2015年版の手続き規則(Rules of Procedure)を使用することや、委員国や締約国、諮問機関の発言時間とオブザーバーの発言時間、そして発言方法、登録基準の当てはめ方やOUVの証明の仕方、審議の順番など、かなり細かい説明が続きます。
審議順は、文化遺産、複合遺産、自然遺産の順番で、アフリカ、アラブ、アジア・太平洋、ヨーロッパ・北米、ラテンアメリカ・カリブ海の地域順で審議が行われることになりました。詳細の変更はありますが。
会場の外は、雷が鳴る大雨でしたが、帰るときには止んでいました。歩いて帰っていると、また大雨でびしょ濡れになり、それも突然晴れて日が差すので変な天気です。こちらは20時過ぎでも明るくて日本の16~17時くらいの日差しなので、なんだか感覚が狂います。
明日からいよいよ本会議が始まります。
(2025/07.06、パリ)