東武ワールドスクウェアで世界遺産巡り!知識が実感に変わる“1/25スケール”体験レポート

東武ワールドスクウェアで世界遺産巡り!知識が実感に変わる“1/25スケール”体験レポート

海外に行かなくても、世界遺産をはじめとした名建築の数々を“体験”できる——。そんな場所が、日光・鬼怒川にあります。東武ワールドスクウェアは、「大人も子どもも世界をもっと好きになる知的大冒険」というキャッチフレーズが表している通り、展示物を眺める楽しさを超えて、学びの入口となる要素が詰まったテーマパークです。世界遺産検定を勉強している方にとっても、知識を“立体”で確かめ直せる体験が待っています。

世界遺産検定20周年記念のデジタルスタンプラリーに特別協賛いただき、スタンプスポットとしても設定される東武ワールドスクウェアに、世界遺産検定事務局のスタッフがお邪魔してたっぷり取材させていただきました。

まずはパーク内をまわってみた

精巧に再現された世界遺産の数々

ガイドマップ
東武ワールドスクウェアのガイドマップ(2026年5月現在)

パーク内には、世界遺産50点を含む計102点の建築物が、すべて1/25スケールで精巧に再現されています。展示は「現代日本」「アメリカ」「エジプト」「ヨーロッパ」「アジア」「日本」の6ゾーンに分かれており、それぞれの地域を代表する有名建築物が軒を連ねます。彫刻やレリーフなど、実物は遠目にしか見られない細部にも近づけるのが醍醐味で、歩くほどに発見が増えていきます。

衝撃の大きさ!ヴェルサイユ宮殿とサン・ピエトロ大聖堂

ヴェルサイユ宮殿と庭園
広大なヴェルサイユ宮殿の展示

6エリアのうちのひとつ、ヨーロッパゾーンには検定受検者にも人気の世界遺産がズラリと並びます。事務局スタッフがまず衝撃を受けたのがヴェルサイユ宮殿の大きさ。直前に見たアブ・シンベル神殿や、ノイシュヴァンシュタイン城も巨大建築物というイメージがありましたが、それらを凌駕していました。もちろんヴェルサイユだけ誇張して大きく作られているわけではありません。1/25スケールで統一されているからの気づきでした。

同じく大きさに驚いたサン・ピエトロ大聖堂は、広場の時計や10基の噴水も1/25スケールで実際に稼働中。時計はすべて現地時刻で稼働しています。東武ワールドスクウェアには約14万人の“小さな住人”がいますが、しゃがんで人形の目線で眺めると、広場の賑わいが伝わってくるようです。

サン・ピエトロ大聖堂
サン・ピエトロ大聖堂。ちなみに人形も手作りで、一つとして同じものはない

大理石の粉末を混ぜたパルテノン神殿

ギリシャのパルテノン神殿もリアルそのもの。あとで広報担当者に聞いたところによると、神殿周囲の崩れ方まで忠実に再現されているそうです。さらに驚いたのが、本物の大理石の粉末を混入させているということ。パーク内の展示物を作るには設計者や現地政府の許可を受ける必要がありますが、パルテノン神殿を作るときはギリシャ政府観光局の許可がなかなか下りず、大理石の使用を要請され、粉末にして混ぜることで了承を得て、展示にこぎ着けたそうです。妥協のない努力が世界を動かす形となりました。

パルテノン神殿
完成品を見たギリシャ政府観光局の人たちも優れた出来栄えに驚いたという

東武ワールドスクウェアの“本物志向”と理念

行ける場所から選び、現地取材で形にする

パーク内の展示物はどのように選定され、どう作られてきたのでしょうか。担当者に聞くと、「オープン当時はまだ今ほど自由に世界中には行けない時代だったので、行くことが可能なところから選定しました」とのこと。逆に言うと、行けないところのものは作らないのがポリシー。だからこそ、来園者から「南半球が少ない」といった声が出ることもあるそうです。

制作プロセスも驚くほど“現地主義”。スタッフが現地へ赴き、多角的に写真を撮る。ピラミッドのように図面が存在しないケースでは、測量して図面を起こしたうえで制作に入る——。それだけでも大変そうですが、パルテノン神殿の件のように現地から許可を取得する難しさもあり、許可の行き違いで一時スタッフが拘留されたこともあるそうです。

きれいにするよりも“現地の状態”に寄せる

雲岡石窟
雲岡石窟。造営から1,500年という歳月を巧みに表現

再現のこだわりは、単にきれいに作ることではありません。メンテナンスの方針として「現存しているものは“今の状態”に近づけたい」という考えがあり、そのためにエイジング(経年表現)を施すこともあると言います。建物ごとに手法を変え、現地の空気感をまとった仕上がりにしています。

展示物の精巧さは、現地での苦労の積み重ねと、徹底した“本物志向”に支えられていることが伝わります。

根底にある“保存し、伝えたい”という理念

東武ワールドスクウェアには、「世界遺産を含めた世界の建築物を保存し、後世に残していくことで、歴史が残した美しさやすばらしさを多くの人に知ってもらいたい」という開園当時からの理念があります。パーク内には今は実物が失われてしまった展示物もあります。ニューヨークの世界貿易センタービル(ツインタワー)、かつての首里城正殿——。広報の方は「当時の姿を伝える証としても展示物が意義あるものになれば」と話します。世界遺産をはじめとしたユネスコのさまざまな活動の理念と重なる部分を感じました。

1/25スケールが実は絶妙なサイズ感

比較しやすいから知識が実感に変わる

ノイシュヴァンシュタイン城
ほかの遺産と比べると意外に大きくなかったノイシュヴァンシュタイン城

ところで、なぜ縮尺は「1/25」になったのでしょうか。経緯を知る担当の方に聞くと、「迫力を出しつつ手軽に見られるサイズで、ちょうどよかった」そうです。確かに、展示物に寄って人形の目線でカメラを構えると本物さながらの写真が撮れますし、1日で“世界一周”も体験できる、絶妙なサイズ感のようです。

そして繰り返しになりますが、何より重要なのが、「全部が1/25で統一されている」こと。「途中で忘れてしまいがちな部分なのですが、統一スケールだからこそ建築物同士の大きさの比較ができるのが面白いポイントです」と担当者は強調します。取材中ヴェルサイユ宮殿の大きさに驚いた事務局スタッフは、東大寺大仏殿とサイズを比べたくなり、すぐに展示を見に行きました。その結果は——ぜひ実際に訪問して確かめてみてください。この相対比較の驚きが、知識を“実感”へ変えていきます。

上から眺めると見えてくる建築の意図

現地観光では、建築物は正面や周囲から眺める体験になりがちです。一方ここでは、上から俯瞰して見られるため、例えば「十字形の平面をした教会」といった建物の配置や構造をはっきりとつかむことができます。ヴェルサイユ宮殿も、宮殿や庭園の構成を上からじっくり観察することができました。

実は大人が楽しいテーマパーク

ガイドツアー
パーク内ではスタッフによる無料のガイドツアーも実施している

ここまで見てきて、東武ワールドスクウェアの印象が大きく変わった方もいるのではないでしょうか。1/25スケールの展示という言葉だけ聞くと、どちらかというと子どもが楽しむ場所を想像するかもしれませんが、ここは大人も楽しめる、むしろ大人だからこそ知的好奇心をくすぐられるテーマパークなのだということが、取材を通じてわかりました。特に世界遺産検定の勉強をされている方は、テキストなどを通じて得た知識を、1/25スケールとはいえ、精巧に再現された立体物とすり合わせることで、頭のなかのイメージが現実に近づくと思います。

ちなみにパーク内には、お客さんにガイドするために知識を増やそうと世界遺産検定を受検して、合格しているスタッフも複数います。また、認定者が来園してガイドツアーに参加されたときに、逆に認定者のほうから知見を共有してもらうこともあったそうです。世界遺産検定の受検者であれば、訪問して盛り上がること間違いなさそうです。

もちろん、子どもや予備知識がない方でも、世界の有名建築物は眺めているだけでも楽しいので、安心して訪れてください。「子どものころに来園されたことがある方は、ぜひ自分のお子さんも連れて再来園してほしいです」(広報担当者)。

座学から世界への架け橋になる場所

アブ・シンベル神殿
昨今の世界情勢で行きづらくなっている国もあるが…

世界遺産検定は20周年を機に、「座学から行動へ」というテーマを掲げ、受検者、認定者の皆様が世界遺産を訪れる後押しをしたいと考えています。ただそうは言っても、特に海外旅行はなかなか“いつでも気軽に”というわけにはいかないのも事実です。

「世界旅行の前に予習として訪れていただくのもよいですし、ご年配の方なら過去の旅を思い出しながら楽しんでいただけると思います」と話す広報担当者。その言葉を聞いて、東武ワールドスクウェアが、座学と世界をつなぐ架け橋になってくれると感じました。「勉強してから旅行に行くと、何も知らないで行くより面白かった」というのは受検者の皆さんが口を揃える言葉ですが、知識が実感に変わる瞬間の何物にも代えがたいワクワクを、ここでは世界に飛び出す一歩手前で味わえます。

最後に、検定受検者へのメッセージをお願いすると、こんな力強い言葉が返ってきました。

「“問題の答え”は東武ワールドスクウェアにあります。」

広報担当者としては、検定の一部問題の答えやヒントが展示物を見てわかる、という意図で仰ったのかもしれません。しかし私は取材から戻ってきてこの記事を書きながら、もっと深読みできるような気がしてきました。すなわち“問題の答え”とは、「本物を見てみたい」という欲求をさらに高めてくれることなのではないでしょうか。

スタッフ
取材に対応してくださったスタッフの皆様
東武ワールドスクウェア

≫公式HPはこちら