世界遺産の今とこれからを考える 第50回記念 特別講演会

講演会当日の様子

当日は関東を中心に全国から約130名の方にご来場いただきました。日頃、SNSで交流している方同士が初めて顔を合わせるなど、開会前には参加者の方々が談笑される姿も見られました。主催者挨拶で講演会はスタートしました。

当日配布した冊子とクリアファイル
20代から70代まで幅広い世代が来場

記念講演

メインイベントである宮﨑彩氏の講演では、「世界遺産」と「サステナビリティ」に関する議論が連動して発展してきた歴史や、「市民=ローカルアクター」の活動が持続可能な世界遺産保全にとって重要であることが示されました。

宮崎さんのお話は、身近な存在でなく遠くに感じているユネスコについて、どんなことをしているのか勉強になりました(30代)
テキストやSNSでは味わえない、リアルならではの楽しさがあった(40代)
宮崎彩様のどんなことにもチャレンジする精神に先ず感動しました(70代)
自身のユネスコでの経験を惜しみなく語る宮﨑氏。現場のリアリティが感じられる内容となった
参加者へのクイズも交えながら、親しみやすい雰囲気で講演は進んだ
サステイナブル、SDGsなど日々耳にしながらもなんとなくでしか理解していたかった言葉を、世界遺産、ユネスコと絡めてとてもわかりやすく、お話を聞くことができました(30代)
世界遺産のみならず、地域にある有形無形の大切なものやを守りたいという情熱が伝わってきました(40代)
サスティナビリティーと世界遺産が繋がっていなかったので新しく発見したときのように、そうか!と感動があった(60代)

パネルディスカッション

パネルディスカッションでは、異なるバックグラウンドを持つ5人の有識者が「世界遺産を学ぶ意義」について意見を交わしました。議論のなかでは共通して、遺産保護のための人材育成の重要性が指摘され、世界遺産の学びはそれに寄与するものであるべき、ということが示唆されました。

さまざまな立場からのお話しを伺うことができ、とても興味深かったです(30代)
ちょっとの認識を変えるだけで大きく踏み出せることに、ある意味、大きなショックを受けました(40代)
世界にどんどん出るべき、というのが一番心に残りました(40代)

熱を帯びた議論。生身で現地へ飛び込むことの重要性が説かれた
教育や行政の現場で行われている活動事例も紹介された
「パック旅行でなくて自分で行くべきだ」という意見もあれば、パック旅行を作る側の意見もあったという点がとても印象的でした(20代)
講演を受ける前と受けた後では自分に大きな成長があったと感じております(30代)
出席している方が若く熱心な姿を見て、世界遺産に関する事が今後ますます発展するであろうと感じた(70代)

参加者へのアンケート結果(抜粋)

記念講演会 概要

日時 2022年11月13日(日) 14:00~16:00
場所 JR新宿ミライナタワー マイナビルーム12F-A
プログラム

1)主催者挨拶

【NPO法人 世界遺産アカデミー 理事長】
朝比奈 豊 氏

2)記念講演「世界遺産とサステイナビリティ―SDGsの実現に向けて―」

【東京大学 総合文化研究科 学術研究員、元UNESCOカンボジアオフィス 国際コンサルタント】
宮﨑 彩 氏

3)パネルディスカッション「世界遺産を学ぶ意義」

パネリスト

【東京大学 総合文化研究科 学術研究員、元UNESCOカンボジアオフィス 国際コンサルタント】
宮﨑 彩 氏

【元UNESCO事務局長顧問、地球システム・倫理学会会長顧問】
服部 英二 氏

【筑波大学大学院教授、日本自然保護協会監事】
吉田 正人 氏

【国土交通省 観光庁職員、NPO法人 世界遺産アカデミー認定講師】
飯島 一隆 氏

司会

【NPO法人 世界遺産アカデミー 主任研究員】
宮澤 光 氏

登壇者プロフィール

宮﨑 彩 氏(みやざき あや)

東京大学総合文化研究科学術研究員。学術博士(国際貢献)(東京大学)、歴史建造物保全学修士(ヨーク大学)、学術修士(東京大学)。文化資源学会、日本ラテンアメリカ学会会員。York Conservation Alumni Associationメンバー、日本ICOMOS国内委員会会員。経営戦略コンサルタント、東京文化財研究所、国際交流基金を経て、UNESCO世界遺産センター ラテンアメリカカリブユニット ジュニアプロフェッショナルオフィサー、UNESCOペルーオフィス 有形文化遺産担当官、UNESCOカンボジアオフィス国際コンサルタントを歴任。

服部 英二 氏(はっとり えいじ)

京都大学大学院にて文学修士。同博士課程修了。仏政府給費留学生としてパリ大学(ソルボンヌ)博士課程に留学。1973年~94年ユネスコ本部勤務・首席広報官、文化担当特別事業部長等を歴任。その間に世界遺産の理念を発信、「科学と文化の対話」シンポジウムシリーズ、「シルク・ロード・対話の道総合調査」などを実施。94年退官後、ユネスコ事務局長顧問、麗澤大学教授となる。現在、NPO法人 世界遺産アカデミー 理事、地球システム・倫理学会 会長顧問、比較文明学会 名誉理事、京都フォーラム至誠塾長、世界ユネスコ協会・クラブ連盟 名誉会長。

吉田 正人 氏(よしだ まさひと)

世界遺産学博士。筑波大学人間総合科学学術院世界遺産学学位プログラム教授。千葉大学理学部卒業後、日本自然保護協会主任研究員等を経て現職。日本自然保護協会時代に世界遺産条約の批准促進に取り組み、白神山地から小笠原諸島、奄美・沖縄まですべての世界自然遺産登録に関わってきた。小笠原諸島世界自然遺産地域科学委員会、富士山世界文化遺産学術委員会委員を務める。

飯島 一隆 氏(いいじま かずたか)

前職(株)JTBにて約12年間、LOOKJTB等の海外パッケージツアーの企画・造成に携わる。アジア・オセアニア方面を担当し、世界遺産も含めた観光地のプロモーションや送客に貢献。2021年より国土交通省 観光庁にて勤務、持続可能な観光を推進し、オーバーツーリズム対策や地域が観光を活かして持続的な経営を行うための政策立案を行っている。また世界遺産アカデミー認定講師として、大学等で観光と世界遺産に関わる講演活動を行っている。

宮澤 光 氏(みやざわ ひかる)

NPO法人 世界遺産アカデミー主任研究員。北海道大学大学院博士後期課程を満期単位取得退学。仏グルノーブル第Ⅱ大学留学。2008年より現職。早稲田大学、東洋大学、跡見学園女子大学非常勤講師。世界遺産アカデミーの研究員として世界遺産に関するさまざまな書籍の編集・執筆・監修を手掛けるほか、これまで全国各地で100本を超す講演・講座を実施している。