解説
僧侶が身に着ける袈裟には決まった色はなく、仏像の袈裟の色も地域や宗派によってさまざまです。東南アジアのタイやスリランカなどでは黄色や朱色が多く、中国や韓国、日本などの東アジアでは黒や茶色などが好まれる傾向があります。これは、伝わった宗派の違いなどが関係していると考えられています。
スリランカ民主社会主義共和国の北部にあるアヌラーダプラは、紀元前380年頃からシンハラ王国の都が置かれた都市です。前3世紀にこの地を治めていたティッサ王が仏教に改宗し、スリランカにおける仏教初伝の地となりました。インドのブッダガヤから分け木として運ばれた菩提樹は、この地の崇拝の対象となっています。
イスルムニヤ精舎は紀元前3世紀にティッサ王が建立した寺院で、岩を削って造られたことから通称「ロック・テンプル」とも呼ばれています。現在、スリランカの世界遺産『聖地キャンディ』に安置されている仏歯は、かつてはイスルムニヤ精舎に納められていたといわれています。