解説
ケープ・コースト城は、17世紀にスウェーデンの商社によって建てられ、その後オランダ、イングランドへと所有が移りました。地下牢には約1,500人もの奴隷が収容されており、ここから1,000万人以上の奴隷が新大陸へ送られたといわれています。
ベナン湾沿い約500kmにわたって点在する『ガーナのベナン湾沿いの城塞群』は、15〜18世紀にヨーロッパの国々によって築かれた要塞群です。ガーナは、「黄金海岸(ゴールドコースト)」と呼ばれたほどの金の産地で、15世紀のポルトガル人を皮切りに、スペイン、デンマーク、スウェーデン、オランダ、ドイツ、イギリスといったヨーロッパ諸国の貿易商人が相次いで進出し、覇権争いの中で多くの要塞が設けられました。
要塞は象牙や真鍮、香辛料、奴隷などの交易所としても使われ、内部には奴隷の収容所や監獄などがありました。最盛期に60ヵ所あったうちの3分の1が現存しています。