解説
パフィン(ニシツノメドリ)の属名「Fratercula」は、ラテン語の「fraterculus(小さな修道士)」に由来し、黒と白の羽毛が修道士のローブのように見えることから名付けられました。パフィンは北太平洋から北極海、特にアイスランドに多く分布しますが、現在は絶滅危惧種に指定されています。
スコットランドの北西約180㎞、北大西洋上に浮かぶ『セント・キルダ諸島』は、約6,000万年前の火山活動で生まれた孤島群です。島々はヨーロッパでは他に類を見ない規模・多様性を誇る海鳥の繁殖地になっており、ニシツノメドリのほか、シロカツオドリ、フルマカモメなど約100万羽が営巣しています。また、固有の植物も約130種が確認されています。
セント・キルダ諸島には、2,000年以上前の巨石遺跡も発見されており、嵐に見舞われる絶海の孤島で人々が生活していた証拠が残っていることから、自然・文化両方の価値が認められ、複合遺産として登録されています。