解説
ジョグジャカルタの王宮(クラトン)を中心に南北に延びる約6kmの都市軸は、北端にあるトゥグ塔と、王宮、南端にあるパングン・クラピャックという建物を結び、ジャワ哲学で「誕生から死」を表すとされています。
インドネシア・ジャワ島中部に位置するジョグジャカルタは、1755年のマタラム王国分裂後に、イスラム王朝の都として築かれた都市です。現在も地域王室制度として、王であるスルタンが存在します。
都市の立地と軸線はジャワ文化の概念が反映されており、『ジョグジャカルタの世界観を表す軸線と歴史的建造物群』として世界遺産に登録されています。この軸線には、ヒンドゥー教や仏教の宗教観や、生命のサイクル、神・人・自然の調和などの象徴的な意味合いが込められています。
登録範囲にはスルタンの王宮(クラトン)や軸線のほか、旧王室庭園などの関連施設が含まれています。