解説
『イルリサット・アイスフィヨルド』からは、年間46 ㎦を超える氷が分離します。2Lペットボトルの水に換算すると23兆本分、琵琶湖の貯水量に換算すると約1.7個分に相当します。
デンマーク王国領のグリーンランド西部に位置する『イルリサット・アイスフィヨルド』は、氷河の浸食作用によってできたフィヨルドと、約1万年前に終わった最終氷期に形成されたセルメク・クジャレク氷河からなる地域です。標高1,200m地点から海までつながる広大なセルメク・クジャレク氷河は、世界で最も動きが速く(1日あたり40m)、最も活発な氷河の1つでもあります。
『イルリサット・アイスフィヨルド』は比較的アクセスしやすい立地にあることから、約250年前から科学的調査が行われており、気候変動や地形の形成プロセスに関する研究に大きく貢献してきました。