解説
キリバスのカントン島やオロナ島周辺の海には、世界でも類を見ないほど多くのシャコガイが生息しています。現在オロナ島は無人島ですが、かつて居住していた人々は、シャコガイを食用として採取していました。なお、シャコガイは日本の沖縄でも、ヒメシャコガイなどが刺身やバター焼きなどで食用として親しまれています。
太平洋中部の赤道沿いの環礁と島々からなるキリバス共和国初の世界遺産『フェニックス諸島保護地域』は、世界最大規模の海洋保護地域です。200種近いサンゴ類をはじめとした手つかずの自然が残り、抜群の水中透明度を誇ります。この保護地域は深海から海面の鳥類に至るまで驚くほど多様な種が共存しており、万華鏡のような美しい海の世界が広がっています。
キリバスは国土のほとんどがサンゴ礁で構成されており、海面上昇の影響を非常に受けやすい国です。2000年と比べて2080年には、海面が36.7cmから最大で60.2cm上昇する可能性があると予測されています。