解説
『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの第1作、2003年公開の「呪われた海賊たち」は、物語の冒頭で18世紀のポート・ロイヤルの街を舞台としています。ただし、この映画の着想元となったディズニーランドのアトラクション「カリブの海賊」は、ポート・ロイヤルを直接のモデルにはしていません。
『17世紀ポート・ロイヤルの考古学的景観』は、ジャマイカの首都キングストン沖にある港町ポート・ロイヤルに残る遺産です。17世紀にイングランドが入植して私掠船(海賊船)の拠点となり、奴隷、金銀、略奪品が取引される海賊都市として悪名を馳せました。
1692年の大地震で街の約3分の2が海中や液状化した砂に埋もれ、その後も火災やハリケーンに見舞われて、18世紀後半にはほぼ放棄されました。地上には要塞跡や街路、建物跡が残っており、植民地時代の歴史を物語っています。さらに、水没した区域の調査は1%未満といわれ、今後の発掘による新たな発見が期待されています。