解説
モンゴルの遊牧民の食文化には、主に肉を指す「赤い食べ物」と、主に乳製品を指す「白い食べ物」があります。「ツァガーン・ウール(白い山)」と呼ばれる標高2,312mの山「オンドル・サント山」はこの「白い食べ物」が捧げられるのが特徴で、現在も儀式が行われています。
『オルホン渓谷の文化的景観』は、モンゴルのほぼ中央、モンゴル高原を流れるオルホン川流域に広がる遺産で、2,000年以上にわたり続く遊牧民の暮らしと歴史を伝えています。渓谷には、6~7世紀にトルコ系民族とされる突厥が築いた遺跡や、8~9世紀のウイグル王国の都カラ・バルガスン遺跡、13~14世紀に栄えたモンゴル帝国の首都カラコルムの遺跡など、多くの遺構が残されています。
なかでもホショー・ツァイダム遺跡から出土した「オルホン碑文」に書かれた突厥文字は、当時の社会構造や交流関係、宗教観を解明する重要な手掛かりとなっています。
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