認定級 2級
長谷川 恵一さん
公益財団法人勤務
―― 世界遺産に興味をもったきっかけは?
元々日本酒が好きで、きき酒師の資格をとりましたが、きき酒師の資格を作ったのは、ワインを勉強した人たちだったということを知りました。ワインはグローバルスタンダードの酒ですよね。そういった世界的価値を知っている人たちから、自分の身近なものにも価値があると言ってもらうことは、「ああ、なるほど」と気づく、再発見でもありました。
その後、屋久島や白神山地に行ったのも、世界的に価値があると認められた世界遺産だったから。日本酒と同じく、日本にも世界遺産として認められている場所があると知って実際に見に行ったときに、素晴らしいと感じましたし、もっと多くの世界遺産を知りたいと思ったんです。
―― どのように勉強されたのですか?
テキストを買っただけでは、なかなか勉強する気になれません。そこで、9月の試験を目指し、夏の暑い盛り、毎週水曜に地域別世界遺産検定通学講座を受けました。漠然とした願望に締め切りを設定したことが、良かったんでしょうね。
講座で習ったことは、できるかぎり復習しました。夜、子供が寝た後か、朝6時に起きて、勉強しましたね。講座は、ポイントを教えてもらえるのがありがたいです。例えば、石見銀山遺跡は、街道や温泉、積み出し港まで一緒に指定されました。南米ボリビアのポトシ銀山と世界の産出量を争っていたからです。こういうポイントは、テキストを漫然と読んでいるだけでは、頭に入ってきません。
また『海国記』(服部真澄著)という歴史小説も一緒に読みました。なぜ平清盛が現在の文化遺産である厳島神社を建てたのかがよくわかるだけでなく、世界遺産が生き生きとしたドラマ仕立てで頭に入ってくるのです。TBSの『THE世界遺産』やNHKの番組なども見ていました。
勉強してみると、とくに自然遺産については、認定基準が厳格に適用されています。単に風光明媚とかでなく、地球上で唯一無二の自然の特徴かどうかをきっちり行っていることが発見できて驚いたんです。そういう知るプロセス自体が楽しいですね。