中平 秀さん/総合商社勤務

中平 秀さん

認定級 2級・3級

中平 秀 さん

総合商社勤務

検定の学びは「目からウロコのワクワク知的体験」

―― 総合商社に勤務し、フィリピン、パキスタン、西アフリカ(セネガルや象牙海岸)への海外駐在、ニューヨークへの留学、出張と豊富な海外経験をお持ちの中平さん。2014年7月に2級と3級に認定されました。検定挑戦のきっかけや感想を教えてください。

 検定を知ったのは昨年の帰国後です。世界遺産検定のマイスターである会社の大先輩との会食の席で、京都・奈良を巡って作られた写真集を見せていただいたのです。それを見て京都や奈良の登録物件をはじめ、日本の世界遺産の半分程度しか足を運んでいないことを思い知らされました。日本人として情けないと伝えたところ、検定を勧めていただきました。さっそく書店に行き、3級、2級のテキストを手に取ったところ、美しい写真もたっぷりあってすごく興味をそそる。すぐに購入し検定への挑戦を決めました。

 学び始めて「もっとも早くやっておけばよかった」と心から思いました。留学や海外駐在で多くの世界遺産に足を運びましたが、今思うとその「真」の魅力の1,000分の1もわかっていませんでした。西欧の教会はみんな同じように見えたし、南アジアではあれもこれも仏教遺跡で違いがないなと(笑)。

 なぜこんな勿体ないことになったかというと、ひとえに基礎的な知識がなかったから。検定のテキストを読むと遺産一つひとつの歴史や背景やストーリーが書かれていて「世界遺産のつながり」が見えてきます。たとえばパキスタンの「タキシラの都市遺跡」はアレキサンダー大王の東征というテーマで見ると異なる国の遺産とのつながりが見えてくる。セネガルの「ゴレ島」は、奴隷の三角貿易の拠点であるリバプール海商都市とのつながりがある。訪れたことのある遺産もその時には感じることができなかった「深さ」や「広がり」を感じ、まさにワクワクする「知的刺激」の連続でした。

タイ・バンコクへ出張した際の1コマ。「これまで訪れた国は約60カ国。とても恵まれてきたと思っています。それだけに、もっと早く世界遺産のことを学んでおきたかった!」

―― 勉強のコツは?認定が仕事などに役立っていることはありますか?今後の「学びの計画」についても教えてください。

 「試験勉強している」という意識はほとんどなくて「知的刺激」を存分に楽しんだ、という感じでした。テキストはビジュアルを交えつつ、程良い分量で解説してあるので、通勤時間などに興味をそそるところから「斜め読み」で5回程度読み飛ばしました。検定のテキストは、地理・歴史など「世界を複眼的に知るための大科目」を楽しみながら触れられる優れた書籍。試験が終わっても折に触れ必ず読み返すと思います。

 仕事ではコミュニケーションにおいて世界遺産の知識が役立つことを実感しています。外国の方との雑談の際、それぞれの国の遺産のことに触れると喜んでいただけて話が弾みます。また、日本の遺産に興味を感じている方はすごく多く、日本人としてその魅力を伝えられるのも嬉しいですね。1級にも勉強時間と仕事との兼ね合いを見ながら、挑戦したいですが、何より少し知識がついた今だからこそ「机上の知識」にとどめておくのではなく、1つでも多くの世界遺産を訪れたいと思っています。

「再訪したい世界遺産もたくさんあります。例えば以前は「変わった形だな」くらいしか感じなかったボロブドゥール遺跡。世界観を知った今はまったく違う感動をもたらしてくれるはず」

―― 若い世代の皆さんにメッセージをお願いします。

世界遺産の学びをきっかけに積極的に「外」に目を向けてください。
 グローバル人材の必要性が叫ばれる一方で、日本の若者の「内向き志向」が指摘されています。商社にいながら「海外勤務よりも国内で・・・」という若い人の声を耳にすると、寂しい気持ちになります。私自身は発展途上国での勤務が多かったので、「日本基準(尺度)」と異なる様々な体験もしましたが、それが自分という人間の幅を大きく広げてくれたと思っています。だからこそ、これからの時代を生きる若い人たちには、もっと世界に目を向けてほしいと強く願います。

 そのきっかけのひとつとなるのが「世界遺産検定の学び」だと思うのです。世界遺産は文字通り世界中にあるし、ロマンティックな人間ドラマを感じる遺跡もあれば、英雄の活躍を忍ばせる遺跡もあるし、地球の営みに思いをはせることのできる遺跡もある。文系、理系、歴史好き、地理好き、ヨーロッパ好き、アジア好き・・・世界遺産検定のテキストの中にはどんな方にも「おっ」と興味を惹かれる遺産が必ずあるはずです。「暗記しよう」ではなく、まずは、そこから楽しんで「つまみ読み」してみてください。すると、ごく自然に「世界の多様さ」が感じられるはずだと思うのです。

 そして、そうやって知識が少しついたら、ぜひ、1つでも多くの世界遺産に実際に足を運んでいただきたいと思います。日本の世界遺産も、きっと違う顔を見せてくれるはずです。「教養」をつけるために「机上の知識」は「必要条件」ではあるけれど「十分条件」ではないと思います。知識をお供に、現地を訪れて感じることがあってこそ、世界遺産の学びが、海外でも通用する本物の教養になるのではないでしょうか。
まずは第一歩。世界遺産検定のテキストで自分好みの遺産を見つけてください!


駐在中のイスラマバードでの餅つき&コマ回し大会。「海外の人と楽しく雑談できるかが仕事につながることも多い。そんな時の話題としても世界遺産の知識は役立ちます」

(2014年9月)