解説
『白鯨』はアメリカの小説家・ハーマン・メルヴィルが1851年に発表した長編小説です。この小説の中で『エレファンタ島の石窟寺院群』は、この場所にある彫刻のクジラについて言及されるほか、墓のない死者の比喩として登場します。
インド西部のムンバイ沖にある『エレファンタ島の石窟寺院群』は、6~8世紀頃に築かれた7つのヒンドゥー教石窟寺院が残る、シヴァ神信仰の中心地です。石窟内には、シヴァ神のさまざまな姿を表した彫刻や、神話の一場面を描いたレリーフが多数見られます。
この島の名前「エレファンタ」は、16世紀にこの地を訪れたポルトガル人が、巨大な象の石像を発見したことに由来しています。
石窟寺院のなかでも特に第1窟にある高さ約5.5mの石刻彫像「三面のシヴァ神の胸像」は、ヒンドゥー教美術の最高傑作のひとつとして高く評価されています。