認定級 マイスター・プラチナ・ シルバー
久保山 幸司さん
製造業
―― 世界遺産検定を受けようと思ったきっかけは?
書店で偶然見つけた世界遺産検定の本をめくると、学校で学んだ内容以上に興味深いストーリーや情報が記されていました。もともと、歴史モノが好きで、日本史は得意。いつかは世界史も勉強したいと考えていましたから、これはいい機会かなと。
第1回目の検定でシルバー(現2級)に合格、中級2科目を合格すればマイスターの受検資格が得られます。ですが、世界遺産というからには、全世界の知識を習得しなければ真のマイスターとは言えないのでは? といったこだわりがありました。結局、5科目すべてを取得。完璧主義者なんでしょうね(笑)。
そして、いよいよマイスターへ挑戦。中級まではマークシート形式なので、暗記をすれば設問に答えることができますが、マイスターでは知識に加えて自身の想いや意見を述べなければなりません。言ってみれば、テキストがまったくない状態。この頃から、世界遺産の本質や存在意義について深く考えるようになりました。
―― 世界遺産を勉強していかがでしたか?
観光スタイルそのものが変わりましたね。その場所で実際に暮らす人の生活や環境について考えながら、観る、知る、感じられるようになりました。
2008年11月の旅行では、白川郷合掌集落の民俗館「和田家」の館長、和田正人さんに話を伺うことができました。2009年4月から大型バスの進入規制を開始するそうですが、地元では賛否両論があるとのこと。世界遺産を守る立場の和田さんと、観る側の視点から意見交換することができ、とても有意義な時間を過ごせました。
世界遺産を保護するということは、同時に環境保護にも通じていると思います。現在、世界各地では観光被害がささやかれており、時間制限や人数制限を設けている場所も少なくありません。ゴミを捨てないことは当たり前ですが、指定された道以外歩かない、静かな場所で騒がないなど、一人ひとりの意識改革が必要なのではないでしょうか。
まずは、身近なところから。そして、自分にできることから世界遺産を保護する活動に参加したいと考えています。地球市民として国や宗教に捉われず、美しいものを美しいと感じられる世界遺産の素晴らしさを、少しでも多くの人に伝えていけたら嬉しいですね。今後も各地の世界遺産を訪問し、そこで活躍する方々に話を伺いながら遺産について学ぶとともに、人と人との繋がりも大切にしていきたいです。