認定級 1級
角濱 さくらさん
大学生
―― 世界遺産検定を知ったきっかけと、実際に受検してみようと思った理由を教えてください。
小学生のとき、テレビで鈴木亮平さんが世界遺産検定のことを話されていたのがきっかけです。小さい頃から地図を見るのが好きで、初めは日本地図だったのですが、そのうち世界地図も見るようになって、色々な国の国境線を眺めたりしていました。元々、地理的な分野には興味があったのだと思います。
その頃から検定を受けてみたいとは思っていたのですが、受検する方法がわからず、高校で団体受検の案内があって、ようやく受けるに至りました。3級と2級は学校で受け、1級はCBTで受検して合格することができました。
―― 元々地理はお好きだったと思うのですが、特に「世界遺産」という部分を意識して見るようになったのはいつ頃からでしょうか?
気がついたらですかね…(笑)。最初は世界遺産というものの存在も知りませんでした。確か小学1年生のときに平泉が世界遺産に登録され、親に連れて行ってもらったのですが、親が喜んだり盛り上がったりしているのを見て、そんなにすごいものなんだな、と感じた記憶があります。それから「ここも世界遺産なんだな」という視点で見ることが増えたように思います。
―― 検定の受検に向けてはどのような勉強をされましたか?
地理好きだったこともあり、2級くらいまではベースの知識である程度得点できた部分があったのですが、1級は結構大変でした。公式テキスト以外にも、世界遺産関連の本を見比べたり、世界史の教科書と照らし合わせたり、ということをやっていました。
―― その後、大学に進学され、今は考古学を学ばれているそうですね。世界遺産の学びや検定の受検が、進路に影響を与えた部分はあるのでしょうか。
大学には推薦で合格したのですが、推薦の条件の一つとして、人文系の知識・能力があるということが挙げられていました。その証明として、世界遺産検定を書けたのは大きかったと思います。
考古学では、例えば開発の途中で遺跡や文化財が見つかったときに、保護を優先するのか、それとも開発なのか、などといった問題が常についてきます。世界遺産活動の歴史や制度は、そうした問題とも結びつく部分があると感じています。
―― 大学生になってからは「世界遺産×SDGs教員養成プログラム」に応募され、こちらでも最優秀賞を獲得されました。とても意欲的に学びに取り組まれていますね。
高校で「世界遺産×SDGsチャレンジ!」に応募していたので、大学生向けの「世界遺産×SDGs教員養成プログラム」(※)というコンテストもあるということを知ったとき、また応募してみたいと思いました。大学院の世界遺産専攻のディスカッションに何度か参加させてもらったこともあります。できるだけ学びを続けていきたいという希望を持っており、私自身も大学院に進学したいと思っています。世界遺産検定のマイスターも、大学生の間にできれば取得したいですね。
※リンク先は2022年度の開催概要です
―― 世界遺産について勉強していて特に印象的だったことや、検定の受検前後で何か変わったことがあれば教えてください。
元々持っていた世界遺産に対するイメージは、観光であったり、保護の対象であったりと、どちらかというとクリーンなものだったのですが、検定の勉強をしていくうちに、政治の介入やオーバーツーリズムなどの課題も見えてきました。負の側面も含めて、世界遺産をより多角的な視点で捉えられるようになったと思います。
世界遺産に登録されているところに限らないのですが、検定の受検後は実際に自分で足を運んで実物を見る機会が増えたように思います。また、以前は旅行ガイドなどに載っている有名なスポットだけを見て満足していたのですが、世界遺産を勉強してからは、どのように保護されているのか、あるいはどのように観光対策がなされているのかなどにも目が行くようになりました。背景を含めて文化財を見ることができるようになったと感じます。
―― この先の人生で、世界遺産の知識をどのように活用していきたいですか?
今、埋蔵文化財センターのボランティアガイドをしているのですが、文化財を保護するためには行政だけでなく、地域住民の協力が重要になってくると感じています。将来なりたい仕事という意味ではまだ明確ではありませんが、世界遺産で学んだことを活かしながら、地域の方々に文化財の保護に積極的に参加してもらえるよう、働きかけをするような活動ができたらよいなと思っています。
(2023年4月)