認定級 2級
鷲巣 真穂さん
大学生
―― 世界遺産検定を知ったきっかけは?
高校2年生の時に、本屋で世界遺産検定のテキストを見たことがきっかけです。
両親が旅好きで、小さい頃から国内外さまざまなところに連れて行ってもらっていた影響から私も旅が大好きでした。そんな私にとって、世界遺産検定はとても面白そうな検定に思えました。
世界遺産は何カ所も訪れたことがあったので、どうせならと2級に挑戦することにしました。それなりに知識はあるつもりでしたが、いざテキストを開いてみると知らないことばかり。マーカーを引きながらテキストを読み込み、勉強はかなり力を入れました。テキストに書いてある内容は面白いし、写真も豊富なので楽しく勉強することができました。
その甲斐あってか、試験の手ごたえはばっちり。問題を解き終わった瞬間に「絶対に合格した!」と確信するほどでした。
―― 世界遺産を学んだ感想はいかがでしたか?
検定を受検するまでは、世界遺産について「有名な場所や観光名所が世界遺産になるんでしょ」という程度にしか思っていませんでした。ところが、いざ勉強をしてみるとその奥深さにどっぷりハマり、世界遺産の魅力に取りつかれてしまいました。
私は静岡の出身で、実家の近くには世界遺産の「三保松原」があります。検定を受検して以来、地元に帰省すると必ず「三保松原」の清掃活動に参加するようになりました。小さなことですが、世界遺産を勉強してから自分のできる方法で世界遺産の保全に貢献したいという意識を持つようになった気がします。
―― 大学では国際観光学部に所属されているそうですね。
国際観光学部を選んだのも、世界遺産の存在があったからです。日本・世界を問わず、世界遺産の魅力を伝える仕事をしたいと考え、国際観光学部を選択しました。
現在は大学3年生、就職活動の真っただ中です。もともと、卒業後は旅行業界への就職を希望していましたが、新型コロナウイルスの影響を受け旅行業界の求人はほぼゼロ。大学の授業も全てリモートとなり、キャンパスに行けないもどかしい日々が続きました。
そんななか、自分はこれから何がしたいのだろうと自問自答したときに浮かんだ答えが「地域活性化」でした。地方の暮らしや魅力を発信し、活性化に役立つ仕事がしたい。それならば、旅行会社に就職せずとも旅に関わる仕事ができるのではと思いました。
大学に通えないのも、見方を変えてみれば「大学に行かなくて良いから、好きな場所で暮らせる」ということ。それならば、なにも東京に住み続ける必要はありません。「地域活性化」をより身近にとらえるために、さまざまな地方で生活しながら課題や魅力を見つけてみようと思い、東京のアパートを引き払いました。
それからは、地元の人や旅行者たちと交流できるようなゲストハウスに滞在しながら大学のリモート授業に出席する日々です。まずは、以前より興味のあった東北・北陸のゲストハウスに3週間ずつ滞在し、今は『屋久島』のゲストハウスで暮らしています。『屋久島』に来たのは、やはりここが世界遺産だからというのが大きな理由です。
『屋久島』は想像以上に自然が豊かで、人間よりも猿や鹿が多い印象です(笑)。先日、縄文杉まで往復10時間の行程をトレッキングしてきました。林道を境に「人間が通って良いエリア」と「自然・動物のエリア」がはっきりと区別されていて、人の生活と自然が上手く共存できるように区分けされていたのが印象的です。さすが世界遺産だ! と嬉しくなりました。
―― 今後、世界遺産の知識をどのように生かしていきたいですか?
将来は、ゲストハウスを経営しながら地元の魅力を国内外に発信していきたいという夢があります。ゲストハウスの場所は、できれば故郷の静岡が良いですね。「富士山」や「三保松原」といった世界遺産もPRできますし。海外からのお客さんに「うちの近くには世界遺産の富士山がありますよ!」なんて、世界遺産の知識を交えてコミュニケーションをとりたいですね。
実は、2級に合格した時に「世界遺産検定はこれでおしまい」と思っていましたが、大学で「世界遺産論」という授業を受けているうちに世界遺産をもっと学びたいという気持ちが強くなってきました。就職活動がひと段落したら1級にチャレンジし、世界遺産の知識をもっと深めていきたいと思います。
(2021年12月)