牧野 みなみさん/大学生

認定級 2級・3級

牧野 みなみさん

大学生

世界遺産を学んだことで、日常の風景をより興味深く見られるようになった

―― 世界遺産検定を知ったきっかけと、自分で受検しようと思った理由を教えてください。

 世界遺産自体には小さいころから興味があり、小学生のときに夏休みの自由研究で世界遺産について調べたこともあります。ちょうど富士山が世界遺産に登録され、世の中の世界遺産に対する関心も高まっていた時期だったと思います。そのころにテレビのバラエティ番組で、鈴木亮平さんなど世界遺産検定を取得した芸能人を見るようになって名前を知りました。
 中学、高校では部活に打ち込んでいたので、検定を受けるようなタイミングがなかったのですが、大学で国際観光学部に入り、学内で検定のポスターなどを見る機会が増えたことで、受検に興味が湧いてきました。最終的には「世界遺産論」の講義が面白かったことが決め手となって、受検の申込みをしました。

―― 国際観光学部というと、世界遺産と親和性が高そうですね。

 この学部を選んだのは、憧れがあったホテルマンになりたかったからです。幼いころの家族旅行の思い出で、ホテルのホスピタリティに感動した記憶があり、自分もサービスを提供する側になりたいと思っていました。ただ、大学で観光に関するプロフェッショナルの先生方の授業を受けて、少しずつ自分の視野も広がり、目指す方向も変わってきています。世界遺産についても以前は華やかな部分ばかりが見えていたのですが、オーバーツーリズムをはじめとした観光公害など、抱えている課題も含めて捉えられるようになりましたね。所属する歴史観光の研究をするゼミで、ダークツーリズムのあり方を考えることもあります。

―― 受検に向けてどのような勉強をされましたか?

 実は「机に向かって黙々…」とか「ガチガチに暗記!」ということはあまりしていません。「世界遺産論」の講義を一緒に受けていたゼミの仲間と空き時間に集まって、みんなで過去問を解いたり、間違いが多かった部分について理由を考えたり、和気あいあいと楽しく勉強をしていました。

「あまり勉強が大変だったという感覚はないですね」と話す牧野さん。ゼミの仲間数人と一緒に受検し、全員が見事合格したという。チームワークがつかんだ勝利かもしれない。

―― 世界遺産を学ぶ前と学んだあとで、どんな変化を感じていますか?

 流れる景色の見方が変わったと思います。実は検定を受けた日に、一緒に受検した仲間とその足でドライブに出かけました。そこで窓から見える建築物の形を見て「あれゴシック建築じゃない?」と分析したりしていました(笑)。建築様式で話が盛り上がったりするのは、世界遺産を学んだ証しだと実感しましたし、日常の風景をより興味をもって見られるようになったのが大きな変化だと思います。
 将来についても、大学で学ぶなかでホテルマン一本だったところからより色々な選択肢を考えるようになったのですが、世界遺産検定を受けてまた引き出しが増えた気がします。今は鉄道、航空などの交通系インフラの業界で、観光を軸にしたサービスを提供したいと思っています。地域活性化に貢献できるイベントも企画してみたいですね。

—— 世界遺産の知識は、今後どのように活かせそうですか?

 今後さまざまな人たちと関わり合いながら生きていくなかで、コミュニケーション手段の一つになり得ると感じています。例えば、相手の出身地についての話題になったとき、会話を膨らませるのに世界遺産の知識を役立てられると思います。たとえ遺産そのものについて専門的な解説ができなくとも、世界遺産を学ぶなかで得た歴史や地理の知識も十分にコミュニケーションに活かせる気がしています。
 これから先の人生で何かに出会ったときに、あのときに学んだものだ!と思えるだけでも自分の糧になりますよね。就職活動が終わったら1級にもチャレンジしてみたいと思っています!

コロナ禍で予定していた海外研修が中止になってしまったそう。「何とか大学のうちに海外を旅したいですね。世界遺産論の授業の内容を自分の目で確かめてみたいです」

(2023年2月)