張 可佳さん/大学生

張 可佳さん

認定級 2級・3級

張 可佳

大学 4年生

世界遺産を通して日本と世界の架け橋になりたい

―― 台湾から留学されていると伺いましたが、日本を選んだ理由は?

 私は子供の頃から日本にとても興味を持っていました。日本のTVドラマやアニメ、映画はとても身近でしたし、和食も大好きでした。それに、祖父が日本に留学した経験があって、その話を聞いていて憧れていました。

 台湾の大学で日本語や日本の宗教・文学を勉強し、2007年から東京の大学院で神道・仏教・儒教を中心に日本文化を学んでいます。世界遺産でいえば広島県の厳島神社などは自然と建物がとても調和していて、日本人の心をよく表していると思います。日本の友人たちも山や海などの自然が大好きなのですが、先人たちの文化はこうしていまでも日本人の心の中に生きています。こうした歴史と文化の結びつきを研究しています。

―― 将来世界遺産を伝える仕事に就きたいと伺いましたが、何を伝えたいのですか?

 今年3月に奈良を訪ねたのですが、成熟した文化に感嘆しました。特に感銘を受けたのが、薬師寺の執事さんに伺った、「世界遺産は死んだ昔の物事なのではなく、いま我々の生活の一部なのです」という言葉です。遺産という言葉から過去のものととらえられがちですが、世界遺産に見られる文化はいまも生きていて、日本人の生活に影響を与えています。世界遺産を知ることは、自分たちの生活や自分自身を知ることでもあると思います。

 同時に、世界遺産は他の国の様々な文化や自然を学び、尊重するものでもあります。私が世界遺産を通して日本文化を学んだように、他の文化を知ることで、もっと広いグローバルな視点を身につけることができます。

 私の夢は、日本の世界遺産を世界中の人たちに紹介することで、世界をつなぐ架け橋になることです。そしてこのすばらしい世界遺産活動を広め、いつの日か祖国である台湾にも伝えたいと考えています。

 そのために、今後世界遺産検定1級の受検も予定しています。日本語教材での勉強は大変ですが、世界遺産はあらゆるジャンルが集まった総合的な学問なので、勉強もとても楽しく充実しています。

世界遺産検定と出会うきっかけを与えてくれた薬師寺の西塔。日本の世界遺産が大好きで、これまでに法隆寺、京都、奈良、日光、紀伊山地、白川郷、石見銀山などを訪れた