認定級 2級・3級
大本 沙織さん
株式会社JTB首都圏勤務
―― 旅行会社のカウンター業務とは、どのようなお仕事ですか?
来店されたお客様の要望を伺って、一人ひとりのニーズに合わせて旅をコーディネートする仕事です。
大切なのは、お客様自身も気づいていないニーズをくみ取ることです。私は先日カナディアン・ロッキーに行きましたが、圧倒的なスケールと美しさに驚いて、想像以上に感動しました。お客様の場合はどんなところに感動するのか、お話を伺いながら先回りして考えて、お客様の想像を超える旅を提供したいと考えています。
最近はネットを通してご自分で旅行先を調べたり申込むことができます。けれども、個人ではできないこうした価値ある旅を提案することで、より深い感動を味わっていただく。そんな仕事をしたいと思っています。
―― 世界遺産の知識はどのように役立っていますか?
JTBでは、お客様のニーズをとらえて提案を行うスペシャリストを育てるために「旅のスタイリスト」という社内認定制度を設けています。この認定基準のひとつに世界遺産検定があって受検しました。
世界遺産のよいところは、文化から自然まで様々な種類があり、世界中を網羅している点です。また、世界遺産検定でしたら、単に姿・形や名前・場所といった表面的なものだけでなく、背景にどんな歴史や文化があるのか深く掘り下げて学ぶことで、遺産の本当の価値を理解することができます。
たとえば世界遺産に登録された理由を学べばその場所のすばらしさがわかります。それをお客様に伝えると、とても興味を持って聞いていただけますし、お客様もその世界遺産に関心を持つようになって、知識を高めてから旅に出られます。知識があることでその世界遺産を見たときの感動は何倍も増し、お客様が満足すればリピーターになっていただけるかもしれません。
ただ旅の手配をしたりツアーを売るということではなくて、いかに感動を提供するかという「旅のスタイリスト」としての仕事につながります。また、そうしてみなさんに世界遺産に感動していただくことで意識が高まり、自然や文化の保護という世界遺産の活動に結びつくのではないでしょうか。
お客様から「思い出に残る旅行になったよ。ありがとう」などと声を掛けていただく瞬間が何よりうれしいです。そんな旅が提供できるよう、世界遺産検定1級をはじめ今後も勉強に励むと同時に、感動をよりリアルに伝えるために、自分自身もっと旅をして感動したいと思っています。