第27回 中山 卓也さん 俳優・タレント
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リポーターとしての仕事もどんどんやっていきたいと思うようになりました
―― 中山さんは現在「日立 世界ふしぎ発見!」のミステリー・ハンターとして活躍されています。これまでどのようなキャリアを歩まれてきたのでしょうか
じつは今のようにリポーターの仕事をさせていただくようになるとは考えたこともありませんでした。俳優として脚本・ドラマを伝えるというのが自分の仕事だと思っていたので、それまではずっと俳優の仕事ばかりしてきました。しかし「日立 ふしぎ発見!」のミステリー・ハンターの仕事をいただき、世界遺産などの魅力を伝えることをしているうちに、自分の中でも俳優とは違う役割というか、こういうことも仕事としてやっていきたいという気持ちが芽生えてきました。これからも各地を取材して、そこで見つけたものを伝えるリポーターとしての仕事もどんどんやっていきたいと思うようになりました。
―― なぜ世界遺産検定を取得したのですか?
たしか、富士山が世界遺産に登録されるかも知れないという話になっていた頃のことです。「あ、富士山って世界遺産ではないのか」とまず驚いて、そこから色々調べ始めました。
世界遺産には見ただけじゃわからない、映画のようなドラマが詰まっているなと思っています。例えば『自由の女神像』だったらフレデリック・バルトルディという彫刻家が21年の期間を、人生をかけて作られたという。そんな頑張って作られたものなのだ、というように。熱い思いに惹かれるし、自分も影響されています。自然遺産で言えば『グランド・キャニオン国立公園』ですね。人の歴史ではないですけど地球の歴史。壮大な奇跡のようなことが起きて誕生したのかっていう、まさにドラマだなと思います。
―― 世界遺産検定を取得して仕事に役立ったことはありますか。
リポーターとして知識を得るスキルというか、リポートのフックとなる面白いものを見つけるところですかね。例えば、「日本の歴史を1週間だとすると、縄文時代は月曜から土曜の夜まで」とか、そういうのを話すと分かりやすいじゃないですか。そういうのを自分で拾って話していく上で、世界遺産検定で学んだことは役立っていると思います。
また、事前に勉強して現地へ行くのは、何も知らないで行くよりも純粋に楽しいと思います。勉強して現地を訪ねると、もっと上のランクの経験が得られると感じています。今後も行く機会があれば、いろんな勉強をしていきたいなと思っています。
―― 今まで訪れた中で印象に残る世界遺産はどこですか?
僕が一番好きな世界遺産は「ヴィエリチカ岩塩坑*」なのですが、あんな美しい塩の世界は他にはないなあ、と思っています。ぜひいつか仕事で行って紹介したいです。ちょうど世界遺産検定の勉強をしている時に、岩塩坑の写真を見て「絶対ここには行きたい」って思って。5年くらい前に新婚旅行で行って、感動しましたね。じつは奥さんも世界遺産検定の2級を持っているんですよ。
―― 世界遺産を学ぶ学生にメッセージをお願いします
僕が世界遺産検定を勉強して変わったなと思うのが、物事をいろんな面から見られるようになったことです。世界遺産の歴史を知ることで、普段の生活の中で例えば嫌なことをされても、「この人はこういうことがあって今イライラしているのかな」というか、少し優しくなれるのかなと(笑)。いろんなところで心が豊かになれる要素があるっていうのは自分の中で思っていて、そういうなかで世界が広くなったというのが一番ですね。
あと、世界遺産にはそれぞれにいろんなメッセージ性があるなあと思っていて。それこそ『ワルシャワの歴史地区』の復興した街並なんかも、一枚の絵を見て街の人が復興するぞという思いだけで、その熱い思いとか、人の執念というかそういうのが自分の心にくるものがあります。皆さんもきっとそうなんじゃないかな。世界を知って他人のことを知ることができるのが魅力ですね。
(2020年6月)
プロフィール
中山 卓也(なかやまたくや)さん
サンミュージックプロダクション所属
1988年12月13日生まれ
福井県出身
俳優としてNHK 大河「風林火山」(2006)、NHK 連続テレビ小説「カーネーション」(2012)、フジテレビ「それぞれの断崖」(2019)、「僕はまだ君を愛さないことができる」(2019)などドラマ・映画等に出演。
昨年よりTBS「日立世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターとしても出演し、近年は幅の広い露出を増やしている。
* 正式名称は『ヴィエリチカとボフニャの王立岩塩坑』