第35回 小野寺 翼さん 歌手
熱意を込めて伝えたいものが、世界遺産だった
―― 世界遺産検定を知ったきっかけと、受検しようと思った理由を教えてください。
Snow Manの阿部亮平さんがテレビで世界遺産検定の1級を取りましたって言っていて、たまたまその番組を見ていたんです。それで世界遺産検定を知りましたね。実際に受検するのはそれからだいぶ時間が経ってからでした。
その間にMATSURIというグループに入り、活動を始めたのですが、僕の将来の夢としてMATSURIのグループ活動と並行して、ニュースを読んだり、レポーターをしたりと、何か情報を発信するお仕事をしていきたいというのがあって。自分がちゃんと説得力を持って発信できるものは何かを考えて、なおかつ好きなもののほうが熱意を込めて伝えられるな、と思ったときに世界遺産検定を思い出したんです。

もともと世界遺産が好きだったのでそこからは早かったそう。「思い立ったその日に、お仕事の前に書店に行って参考書を買って勉強を開始しました。」
―― 受検を決めてからはどのように勉強しましたか。
まずは公式のテキストを重点的に。世界遺産検定の公式YouTubeチャンネルの学習アシスト動画も見ましたね。さらにインターネットで遺産名を検索して、その遺産の写真を見ることで、映像的にそれがどういう遺産なのかリンクさせたりもしました。この勉強法は個人的に一番良かったなと思います。
―― 世界遺産検定の学習のなかで新しく知った、あるいは印象に強く残った世界遺産はありますか。
元々「タージ・マハル」は知っていたんですが、それが自分の愛する人のために作った宮殿で、名前はその人にちなんでいると知って、無機質なイメージのあった世界遺産が、人間の作り上げているものなんだとより一層身近に感じられましたね。
―― 好きな世界遺産はありますか?
世界遺産が好きになったきっかけは「モン・サン・ミシェルとその湾」なんです。母が世界遺産好きで、お家にビジュアルブックを飾っていたのですが、その表紙がモン・サン・ミシェルでした。それを見たときに、幼いながらに心を打たれたというか、こんなに神秘的な景観があるんだ……って。それから世界遺産に興味を抱くようになりました。
好きという気持ちの、さらにもう一個上の別の感情を味わってほしい
―― ご自身のお仕事に世界遺産の学びが活きている部分はありますか。
世界遺産検定2級のおかげで、いま出演させていただいている「ぽかぽか」(フジテレビ系列)という番組では、自分のトークパートで、ゲストの方が好きそうな世界遺産をオススメしています。するとゲストの方はもちろん、番組を見てくださったファンの方も「その遺産に興味が出ました、調べてみました」って言っていただけることが多くて。これは僕にしかできないことだなと意義をすごく感じています。

「まだまだ勉強不足なのでもっと知識をつけて、自分にしかできない発信の仕方にチャレンジしていきたいですね。」
―― 今後、どのように「自分にしかできない」発信の幅を広げていきたいと考えていますか。
タレントとして活動させていただく時間が、世界遺産を伝える機会になると思いますので、世界遺産を扱う番組に出たり、実際に現地に行ってその要素を伝えたいですね。僕をきっかけで遺産を知っていただいて、そして僕が添える情報によってさらに興味を持ってもらえたらうれしいです。あと、雑誌や紙面で連載を持つこと。これはひとつ目標として持っているんです。
―― これから世界遺産を学びたいという方へメッセージをお願いします。
僕は旅行が好きで、世界遺産を見るのが好きですが、勉強して得た知識を持って改めて旅行をしたり、世界遺産に触れたりすると、より一層愛が深まります。このお正月に韓国の「水原の華城」へ行って来たのですが、昨年2級を取得してから初めて訪れる外国の世界遺産になりました。これはこういうことがあってできたものなんだとか、誰が誰のためを想って作ったんだとか、知識を持って見ることでより一層満たされました。

左:「王の臨時の宿でも使われていた行宮に行きました。所々とても歴史を感じる景観でした。」
右:正祖像。「生で見ると大きくて迫力がありました。」
―― インターネットの画像を通じて勉強されたと先にお話されていましたが、やはり現地で見る世界遺産は別物ですね。
正直言葉にならなくて……、世界遺産検定を取得したあとに見るとこんなに違うんだっていう感動がありました。「水原の華城」って結構広くて、歩いて周ると4時間くらいかかるんです。僕はあんまり歩くのが好きじゃないのでどうしようかな、と最初思ったんですが、行ってみたらこれがもう楽しすぎて。ちょっとスキップしながら階段登ったりしてました(笑)。

「“好きっていう気持ちの、さらにもう一個上の別の感情”を味わったことで、好きなものを追求する素晴らしさを色んな人に伝えたいなと思いました。」
人に伝えることで、自分のなかに入ってくる
―― テレビの仕事で現地でレポートできるとしたら、行ってみたい世界遺産はありますか。
うーん……「マチュ・ピチュ」ですね。というのもメンバーに、僕と一番年が離れた柳田優樹というメンバーがいるんですけど、彼がよく行きたいと言っていて。それを近くで聞いていたら、僕も行きたくなってきました。訪れてみて、実際にこうだったよっていうのを伝えられる人になりたいですね。テレビのレポートもいいですが、やっぱり自分の身近な人にちゃんと自分の言葉で伝えられたら一番いいなって思います。
―― 1級を受検されましたが、結果は惜しくも不合格でした(※)。次回の受検に燃えているところだと思いますが、日本中の1級を目指す同志にメッセージをお願いします。
※第62回検定の合格発表を、「ぽかぽか」の生放送内で行った。惜しくも不合格ながら、小野寺さんは次回のリベンジを誓った。
2級を取得したあとは、1級に向けて勉強するぞ!ってやる気に満ちあふれていました。……が、1級のテキストを見たとたん、心折れて一週間ぐらい勉強できませんでした。やっぱり膨大な情報量と、高い壁が見えてしまうんですよね。これは2級を持ってるからこそ見える高さ、壁なんだと思います。1級に挑まれる皆さんも、きっと同じような気持ちになっていると思います。僕は今回、全国放送で不合格という姿を見せました。でも、そんな姿を晒してもまた次も絶対受けて、絶対合格するっていう強い気持ちを持っています。「僕と一緒に」なんて大それた言い方はできませんが、同じように不合格だったり心が折れそうな人には、僕も頑張るので一緒に頑張れたらうれしいですし、一緒に1級合格の喜びを分かち合いたいと思っています。
不思議なもので、検定が終わった後に番組ゲストさんのために紹介したい遺産を参考書で探していると、勉強してるときよりもスッと頭に入ってきて。もしかしたら、人に伝えたいとか、人にどうやって伝えようかって考えるとちゃんと自分の中に入ってくるのかもしれません。これまでに「ぽかぽか」でゲストさんに紹介した遺産って、ずっと頭に残っているんですよね。自分の検定のためと思って勉強した遺産は、昨日やったことすら忘れちゃうのに(笑)。僕はSNSもやってるので、そうした場所で発信する、人に伝えることで覚えることを次なる秘策としてやっていけたらいいなと思ってます。

合格発表日の「ぽかぽか」で共演した世界遺産アカデミー宮澤主任研究員と。1級合格に向けた熱い意欲を語った。
(2026年2月)
プロフィール
小野寺 翼(おのでら つばさ)さん