酒井 栄一郎さん/みずほ証券株式会社(2016年2月時点)

酒井 栄一郎さん

認定級 1級・2級・3級

酒井 栄一郎

みずほ証券株式会社勤務(2016年2月時点)

世界遺産の知識は富裕層のお客様との会話で役立っています

―― 2009年6月に2級と3級を、2015年7月には1級を取得されています。世界遺産検定に挑戦のきっかけや感想を教えてください。

 2005年4月から約2年半、広島に勤務しました。お客さまとの会話で原爆ドームのことは自然と話題になりますし、仕事で宮島方面に行くことも多く、世界遺産の存在を身近に感じました。2007年に石見銀山が世界遺産登録された時はバスで見学に行きました。こんなアクセスの悪いところに果たして人が来るだろうかと思っていたのですが、驚くほどたくさんの人が来ていて改めて世界遺産の威力を実感しました。

 その後、2007年12月に仙台へ転勤しました。当時は平泉が話題になっていて、ちょうどその頃、世界遺産検定の存在を知ったのです。仕事とは別のものにチャレンジしてみてもいいかなと、2009年に2、3級を同時受検しました。

 その流れで翌年1級を受けたのですが、テキストを読んだだけではまったく歯が立ちませんでしたね。2、3級は今までの地理や歴史の知識である程度カバーできたのですが、1級は相当の覚悟で集中して勉強しないと合格できないことを痛感しました。翌年も挑戦するつもりでしたが、震災があり、断念。次に受検したのは2014年7月、東京に戻ってからです。過去問も買って自分なりに勉強したつもりだったのですが、結果は不合格。これはもう無理かなと半ばあきらめていました。

 でもちょうどその翌年、会社の研修で世界遺産に関する講義を受ける機会がありました。当社にはシニア活躍の枠組みの中で、55歳前後の部店長等経験者を対象とした「キャリアメイク研修」という2か月にも及ぶ研修制度があります。この研修では業務上の専門知識のブラッシュアップの他、「食」、「旅」、「美術」等、文化・教養的なカリキュラムも組み込まれています。このような知識は研修終了後の支店支援や後進指導等の我々の主たるミッションの中で、特に富裕層のお客様とのコミュニケーションに役立つという趣旨で設定されています。その研修の中の「世界遺産講座」の講師は世界遺産アカデミーの方で、「前の年に1級に挑戦したけれど不合格だった」という話をしたところ、「ぜひまた受けてください」と勧めてくださったのです。研修では(公社)日本アナリスト協会の「プライマリープライベートバンカー」という資格の取得が義務付けられていたため、その試験対策で勉強癖がついていたこともあり、その勢いのまま1級に再チャレンジすることを決めました。

富裕層のお客様はよく旅をされている方が多く「世界遺産に関心があって検定試験にチャレンジしています」と伝えると話が盛り上がります。

―― ここで見事、合格を果たしていますが、どのように勉強をされたのですか。

 約1ヶ月間集中して過去問を何度も繰り返しました。覚えるより、反復学習を徹底して慣れることに重点を置いたのです。合格の通知が届いたときはやはりうれしかったですね。私には息子が2人いるのですが、私が勉強している姿を見て「親父もやるときはやるな」と思ってくれたふしがあり(笑)、これもうれしかったですね。

 歴史的な背景とともに地理も学べ、広くグローバルな視点を持つことにつながる世界遺産検定は、若い方にもぜひチャレンジしていただきたいです。私自身も知識をより深め、それをアウトプットできるようにするためにも、いずれはマイスターを目指したいと考えています。

(2016年2月)