せかけんクイズ No.448

解説

「八角形の塔」を意味するムサンマン・ブルジュは、その名の通り八角形の建物です。ムガル帝国5代皇帝のシャー・ジャハーンが晩年幽閉されたことから「囚われの塔」とも呼ばれます。シャー・ジャハーンはこの塔からタージ・マハルを眺めて過ごしたそうです。

ニューデリーの南約200㎞の位置にあるアーグラ城は、ムガル帝国3代皇帝アクバルが、1565年から1573年にかけて首都アーグラに建設した城塞です。赤い砂岩の城壁に囲まれており、デリーの城と同じく「レッド・フォート（赤い城）」と称されます。シャー・ジャハーンや6代皇帝アウラングゼーブによる大幅な改築がなされ、広大な敷地内に市場、居住区といった都市機能も備える都城となりました。

城内に現存する唯一のアクバル帝時代の建物がジャハーンギール宮殿で、ペルシア建築とヒンドゥー教の建築様式が混在しており、イスラム教徒とヒンドゥー教徒の融和を図るため尽力したアクバル帝の政治的な意図を象徴しているとされます。

一方、シャー・ジャハーン帝が建てた建造物は、白い大理石を用いた華やかな装飾が特徴です。白大理石の列柱が立ち並ぶディーワーネ・アーム（公的謁見の間）やモティ・マスジド（真珠のモスク）などがあり、インド・イスラム建築の絢爛たる魅力を伝えています。