認定級 2級
大黒 朔也さん
会社員
―― 大黒さんのお仕事の内容を教えてください。
農協観光という旅行会社で、農協の組合員や地域に特化した「食と農を基軸にした」学びや旅行プランを提供しています。例えば、農作物の産地の見学や神社で行われる五穀豊穣を願う伝統的な神事『豊年講』への参加などです。そういった「学び」の要素に加え、観光スポットの見学などを織り交ぜた、学びと観光の両方を味わうことのできる旅を企画しています。
―― 世界遺産検定を知ったきっかけ、受検を決めた理由はなんですか?
本社から送られてきた案内を見て決めました。私は今年、新入社員として入社したのですが、入社間もない5月に世界遺産検定の受検者を募集するメールを受け取りました。試験日は2カ月後の7月で時間もあまりなかったのですが、世界遺産の知識があれば仕事に役立つと思い挑戦することにしました。
―― 短期間でどのように勉強しましたか? また、勉強をする中で印象に残ったことはなんでしょう。
まずは公式テキストを徹底的に読み込みました。それから、過去問題集を繰り返し解きました。間違えたところはノートに書き出し、その遺産についてテキストで再確認するという勉強を続けました。過去問を解き始めたころは50点台しか取れなかったのですが、勉強するにつれて60点、70点と取れるようなりました。学生時代に試験勉強をするときは「間違えたところはきちんと見直す」ということを意識していました。その勉強方法が身についているうちに受検ができて良かったです。もし入社して10年、20年経ってから受検をしていたのなら、試験勉強のやり方自体を忘れていたかも知れません(笑)。
印象に残っているのは、世界遺産条約誕生のきっかけになったエジプトの「アブ・シンベル神殿」です。水没の危機に面した「アブ・シンベル神殿」を救うべく世界のさまざまな国が支援したというエピソードと、そこから続く世界遺産条約誕生の流れに壮大なドラマを感じました。
―― 世界遺産の知識はお仕事でどのように役立っていますか?
農協観光では毎年、「世界遺産を訪れる旅」と銘打った世界遺産の観光をメインにした旅行プランを企画しています。今年のテーマは「富士山」でした。私が企画を担当したのですが、「三保の松原」といった富士山の構成資産だけでなく、同じく世界遺産である『明治日本の産業革命遺産』の『韮山反射炉』の見学を行程に組み込むなど世界遺産の横のつながりにこだわった商品を作り上げたと自負しています!旅行に参加されたお客様からも、「この場所が世界遺産だとは知らなかった」「来て良かった」などと好評をいただきました。来年の「世界遺産を訪れる旅」では、豊かな生態系で知られる『知床』を訪れたいですね。
世界遺産の知識は、旅行の企画を立てるときに役立つだけではなく旅行好きなお客様との共通の話題にもなります。知識をさらに深めるためにも、勉強する習慣が残っているうちに1級に挑戦したいと思います。
(2020年01月)