■ 研究員ブログ237 ■ 第48回世界遺産委員会⑩:来年はイスタンブルで会いましょう!

世界遺産委員会は明日までですが、議題は今日全て終わるため、実質的な最終日とも言える日です。今日も晴天で、結局初日に一度、小雨が降っただけでした。

今日はまず、世界遺産リストと危機遺産リストのアップデート報告から始まりました。昨日の研究員ブログで、登録数などは書きましたが、より細かく地域ごとの登録数や、その結果の遺産数などが報告されました。

1点、お詫びと訂正なのですが、7月25日の研究員ブログ⑦の中で、コンゴの『ガランバ国立公園』を「登録基準の変更を申請していた」と書きましたが、今日の報告をよく見ると「再推薦(renomination)」と書かれてました。変更の申請ではなく、再推薦だったようです。世界遺産センターの『ガランバ国立公園』のページの登録年も、2026年に変更されていました。登録基準の変更って以前もあった気がするのですが、どうでしたっけ。

次に保全状況報告書に関するまとめがあり、ウクライナが自国ではどうしようもない状況で危機遺産リストに記載されているの遺産の保全状況を改善する援助のメカニズムを整えるなどの文言を入れようとしましたが賛同を得られず、決議後に不満を表明しました。

また韓国が、世界遺産のインタプリテーションの重要性の例として、日本の『明治日本の産業革命遺産』で遺産の歴史の全体像を理解するための説明をするように決議で求めてきたのに実施されていないことを挙げ、こうした決議文の不作為に関する議論は全ての世界遺産にとって重要であるとコメントしました。

これは唐突に、かなり無理やりな論理展開で入れてきたなという印象でした。日本の加納大使は反論として、日本は決議に誠実に対応してきており、これまでと同じく「世界遺産委員会以外の場」で関係国と真摯に対話を継続していくとコメントしました。「世界遺産委員会以外の場」というのは、昨年の世界遺産委員会でもコメントしたように、世界遺産委員会の場にOUVと関係のない話題を持ち込むべきではないという従来の姿勢を改めて示したものです。

他にも諸々の議題が決議されましたが、省略します。

国際的援助では、40,000USDを超える要請があり、レバノンとカンボジア、ウクライナ、コンゴの4件が承認されました。

来年の第49回世界遺産委員会はトルコから立候補があり、2027年6月27日(日)から7月7日(水)の日程で、イスタンブルで開催されることになりました。イスタンブルでの世界遺産委員会は、2016年の第40回以来です。この時の世界遺産委員会は非常に珍しいもので、世界遺産委員会の会期中にクーデターが起こったために世界遺産委員会が中断され、年末にパリのUNESCO本部に会場を移して続きが行われました。その時のリベンジですね。

議長はトルコのイスハン・ムスタファ・ユルドゥルクさん。今回のトルコ大使の方です。かなり記憶に残る方でもあります。書記はカザフスタンのアルテン・クズミンさん、副議長国はアルメニアとグレナダ、ヴェトナム、タンザニア、クウェートに決まりました。楽しみです。

続いて第49回の議題案の審議が行われ、ここでもなかなか意見がまとまらず、時間を1時間半も延長してやっと終わりました。これですべての議題が決議されました。閉会後は、会場を移して立食の閉会セレモニーも行われました。

終わってみるとあっという間でしたが、なんだか本当に疲れる世界遺産委員会でした。あとは明日の午後のみ。釜山名物のテジクッパがかなり美味しくて気に入ったので、明日も食べてから帰国しようと思います。久しぶりの日本も暑いのでしょうね。

(2026.07.28)