■ 研究員ブログ171 ■ オンラインが世界標準になるなら世界遺産委員会だって!


例年ならこのGW前後の時期は、世界遺産に関連して諮問機関からの勧告の話題に注目が集まるのですが、昨年からすっかり新型コロナウイルスの話題に押しのけられてしまって、完全に世間の注目の外にありますね。新型コロナウイルスのない世界を思い出せないくらい。

僕が教えに行っている大学でも、今年度はこの状況に大学側も学生も慣れてきて、完全に対面のところもオンラインのところも、対面で授業をしながら同時に自宅にいる学生に配信しているところもあります。それが大学ごとにシステムや方法が違うので、非常勤講師の僕は慣れるまでが大変です。先日は完全オンライン配信の大学で、授業時間の半分近くPPTの画面が共有できておらず、ただただ僕の顔のアップを映し続けるという、学生に対するハラスメントでしかないことをしてしまいました。本当に恥ずかしい・・・。

そんな新しい生活様式にも慣れてきた僕たちの世界ですが、今年の世界遺産委員会もそうした新しい世界標準に合わせた方法で行われることになりました。44回目にして初めてオンラインで会議が行われるのです。昨年の世界遺産委員会を延期せざるを得ず、今年は何としても開催するための苦肉の策という側面もありますが、近年、肥大化しコストがかかりすぎるために開催国がなかなか決まらなかった世界遺産委員会にとって今後の道を示す新しい一歩となるかもしれません。

いつもよりも少し遅く始まる今年の第44回世界遺産委員会は、2年分の会議内容を一度に行うため期間も少し長くなって、7月16日(金)から7月31日(土)の16日間になります。

議長国は2020年の世界遺産委員会の開催国の予定だった中国がそのまま務めます。2020年に開催都市になるはずだった中国の福建省福州市は、習近平国家主席が市党委員会書記を務めた場所であり、福建省は省長を務めた場所でもあるので、中国が国を挙げてバックアップしていることも伺えます。

日本からは、久しぶりの自然遺産となる「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」と、エジプトでピラミッドなどが作られていたころに日本にも豊かな文化があったことを伝える「北海道・北東北の縄文遺跡群」が審議されます。一度に2件増えるのは久しぶりなので、朗報が届くのが楽しみですね。

世界遺産委員会の6週間前までに出される諮問機関からの勧告は、例年少し早めのGW直前に出されることが多かったですが、今年は世界遺産委員会が遅いので勧告も遅くなっているようです。6週間前というと6月4日ですが、5月中には出されるのではないでしょうか。あと少しですね。

休日もあまり外出ができず自宅にいる時間も多いと思いますので、ぜひ世界遺産の情報にもアンテナを張っておいて下さい。世界遺産検定公式youtube「旅するように学ぶ世界遺産」でも世界遺産を紹介しているので、自宅時間にぜひご覧くださいね!他にも世界遺産のオンラインツアーやVR映像などもインターネットの世界には溢れていますので、いろいろなことを我慢しなければならずつらい時にも、少しでも楽しめますように。

(2021.05.07)